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よみものどっとこむ

第11回

<子育てアドバイス>子どもの「うまく対処できない」ことに親は悩む

2017.09.15更新

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【 この連載は… 】すぐにびっくりする。興奮したあとはなかなか寝つけない。服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる……5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。

 本連載は第10回までの予定でしたが、多くの反響をいただきましたことから、本文第2章の<子育てアドバイス>を新たに連載していきます。

■「普通」なんか目指さなくていいのです

 とても敏感な子、繊細すぎる子に不安を抱えている親御さんから、さまざまな状況への質問が寄せられます。この章では、そうした具体例に基づいて話を進めながら、HSCの性質に理解を深めていただこうと思います。

 親が子どものことで悩むというのは、何かに対して「うまく対処できない」ときです。そこで感じているのは、大きく分けるとふたつの気持ちです。

 ひとつは、子どもが「普通にできない」ことへの不安。

 もうひとつは、「自分もまたそれが苦手だ」という場合の不安。

 「普通にできない」と、社会生活を営んでいくうえでいろいろ不自由なことが発生します。しかし、「普通」というのは主観的なものですし、その社会の中だけで通用する常識でしかなかったりします。神経発達症の子どもを連れて海外で生活するようになったら、日本で気になっていたことが全然気にならなくなったというご家族もいます。普通であること、他の子と同じようにできることを、あまり意識しすぎないほうがいいのです。

 一方、自分自身が苦手で苦労してきたことに対しては、子どももうまくできないと同じような苦労をすることになりそうだと心配になります。その根っこには、自分の子だから似ている、遺伝しているかもしれない気持ちが働いています。それで、苦手を克服させることを一生懸命考えてしまう。じつは、自分自身の苦手意識が背後にあるのです。

 その逆で、「自分は苦手じゃなかったのに、なぜこの子はできないのか」と思うことがある人もいるかもしれません。その場合も、だからこそ克服させたい、普通にできるようにさせたい、という気持ちが強まっていきます。

 問題は、そんな親心こそが「子どもを支配しよう」としてしまうことになる点です。「支配しない親になる心がけ」はとても大切です。

 HSCは人口の20パーセント、5人に1人だということを思い出してください。つまり、5分の1の確率で選ばれた気質の持ち主なのです。普通ではないのが当たり前です。

 「他とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟が必要です」とアーロン博士は言っています。他の子と比較しないこと。普通と違うことを怖れない勇気を持ちましょう。

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著者

長沼 睦雄

十勝むつみのクリニック院長。日本では数少ないHSPの臨床医。昭和31年山梨県生まれ。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。道立札幌療育センターにて小児精神科医として14年間勤務。平成12年よりHSPに注目し研究。平成20年より道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行う。平成28年十勝むつみのクリニック開業。発達障害、発達性トラウマ、解離性障害などの診断治療に専念し、脳と心と体の統合的医療を行っている。著書に『活かそう!発達障害脳 「いいところを伸ばす」は治療です。』(花風社)、『敏感すぎる自分を好きになれる本』『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』(ともに青春出版社)、『コミックエッセイ 敏感過ぎる自分に困っています』(宝島社)などがある。

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