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よみものどっとこむ

第36回

101話~103話

2016.09.09更新

読了時間

101 口だけ立派な人には注意しなくてはならない


【現代語訳】

立派なことばかり言う弟子の宰(さい)予(よ)が、よく昼寝(ひるね)しては、さぼって孔子先生にあきれられた。

先生は言われた。「腐(くさ)ってしまっている木に彫刻はできない。汚い土を積んだだけのへいに上塗(うわぬ)りはできない。宰予を叱って教えるのはもうやめた」。

また、続けて言われた。「今までは、人の言葉を聞いたら、その行いも言葉と同じように信じていたが、今後は人の言葉を聞いても、その行いを見てから判断するようにしよう。私は宰予を見て、そう改めることにした」。


【読み下し文】

宰(さい)予(よ)(※)、昼(ひる)寝(い)ぬ。子(し)曰(いわ)く、朽木(きゅうぼく)は彫(ほ)るべからす。糞土(ふんど)の牆(がき)は朽(ぬ)るべからず。予(よ)に於(お)いてか、何(なに)を誅(せ)めん。子(し)曰(いわ)く、始(はじ)め吾(わ)れ、人(ひと)に於(お)いてか、其(そ)の言(げん)を聴(き)きて其(そ)の行(おこな)いを信(しん)じたりき。今(いま)吾(わ)れ、人(ひと)に於(お)いてか、其(そ)の言(げん)を聴(き)きて其(そ)の行(おこな)いを観(み)る。予(よ)に於(お)いてか、是(これ)を改(あらた)む。


(※)宰予……宰我のこと(61話参照)。予はその名。


【原文】

宰予晝寝、子曰、朽木不可雕也、糞土之牆、不可杇也、於予與何誅、子曰、始吾於人也、聽其言而信其行、今吾於人也、聽其言而觀其行、於予與改是、


102 真の剛者には我欲がないものだ


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私は、まだ真の剛者というべき者を見たことがない」。

ある人が言った。「申棖(しんとう)(※)は剛者じゃありませんか」。

先生は言われた。「申棖には、まだ我欲が見える。真の剛者という者は我欲がない人のことを言うのだ」。


(※)申棖……孔子の遠慮のない言い方から判断すると、門人であろうと見られている。また、魯の人ともいわれているが、詳しいことはわかっていない。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、吾(わ)れは未(いま)だ剛(ごう)(※)なる者(もの)を見ず。或(あ)る人(ひと)曰(いわ)く、申棖(しんとう)と。子(し)曰(いわ)く、棖(とう)や慾(よく)あり、焉(いずく)んぞ剛(ごう)なるを得(え)ん。


(※)剛……強いこと。私欲などで志を曲げないこと。孟子もいわゆる「公然の気」を説明して「至大至剛」と言ったのは有名である。


【原文】

子曰、吾未見剛者、或對曰、申棖、子曰、棖也慾、焉得剛、


103 人は厳しくも励ますことで、伸びていく


【現代語訳】

子(し)貢(こう)は言った。「私は他人からされたくないことを、他人にしないように心がけたいと思っています」。

孔子先生は答えて言われた。「賜(し)(子貢)よ、その心がけは立派だが、まだまだできていないぞ、がんばれ」。


【読み下し文】

子(し)貢(こう)曰(いわ)く、我(われ)は人(ひと)のこれを我(われ)に加(くわ)えんことを欲(ほっ)せざるや、吾(わ)れも亦(ま)たこれを人(ひと)に加(くわ)うるなからんと欲(ほっ)す。子(し)曰(いわ)く、賜(し)や、爾(なんじ)の及(およ)ぶ所(ところ)に非(あら)ざるなり。


【原文】

子貢曰、我不欲人之加諸我也、吾亦欲無加諸人、子曰、賜也、非爾所及也、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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