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よみものどっとこむ

第44回

122話~123話

2016.09.23更新

読了時間

122 お金の使い方にも人格が出る


【現代語訳】

門人の子(し)華(か)(※)が斉(せい)に使いに行った。冉子(ぜんし)(冉求)は、子華の母親のために留守手当てを出してほしいと言った。孔子先生は、「釜(ふ)の量(約五升(しょう)七合(ごう))を与えるように」と言われた。冉求はもう少し増してもらえませんかと申し出た。

先生は、「では、庾(ゆ)の量(約一斗(とう)四升(しょう)三合(ごう))を与えるといい」と言われた。しかし、冉求は、自分の考えで五秉(へい)(約七石(こく)一斗(とう)八升(しょう)五合(ごう))を与えた。

後に、先生は言われた。「赤(せき)(子華)が斉に使いに行った時、肥えた馬に乗って、軽くてよい毛皮の服を着ていた(けっこうお金持ちであるのがわかる)。私はかねてより、君子というのはお金があまりない人には助けて多く払うが、お金を持っている人には、それ相応の支払いをするものである、と聞いている」。また、先生が魯(ろ)の司法大臣になられた時に、原思(げんし)(※)を家宰(執事)に指名して、俸禄米九百の手当てを与えた。原思は多すぎると言って辞退した。

しかし、先生は「ちゃんともらいなさい。もし余るようであれば、自分の地元の人たちにあげなさい」と言われた。


(※)子華……公西赤の字。

(※)原思……原は姓。憲は名。字は子思。魯の人。孔子の門人。


【読み下し文】

子(し)華(か)、斉(せい)に使(つか)いす。冉子(ぜんし)、其(そ)の母(はは)の為(ため)に粟(ぞく)(※)を請(こ)う。子(し)曰(いわ)く、これに釜(ふ)を与(あた)えよ。まさんことを請(こ)う。曰(いわ)く、これに庾(ゆ)を与(あた)えよ。冉子(ぜんし)、これに粟(ぞく)五(ご)秉(へい)を与(あた)う。子(し)曰(いわ)く、赤(せき)の斉(せい)に適(ゆ)くや、肥(ひ)馬(ば)に乗(の)り、軽裘(けいきゅう)を衣(き)る。吾(わ)れこれ聞(き)く。君子(くんし)は急(きゅう)を周(すく)うて富(と)めるに継(つ)がず、と。原思(げんし)、これが宰(さい)たり。これに粟(ぞく)九百(きゅうひゃく)を与(あた)う。辞(じ)す。子(し)曰(いわ)く、毋(な)かれ、以(もっ)て爾(なんじ)が鄰(りん)里(り)郷党(きょうとう)に与(あた)えんか。


(※)粟……玄米の扶持(ふち)米(まい)。


【原文】

子華使於齊、冉子爲其母請粟、子曰、與之釜、請益、曰與之廋、冉子與之粟五秉、子曰、赤之適齊也、乗肥馬、衣輕裘、吾聞之也、君子周急不繼富、原思爲之宰、與之粟九百、辭、子曰、毋、以與爾鄰里郷黨乎、


123 何でも親のせいにせず、自分で何とかせよ


【現代語訳】

孔子先生が仲(ちゅう)弓(きゅう)(※)に言われた。「親が農耕用の雑種牛であっても、赤毛で立派な角(つの)があれば、祭祀(さいし)用の貴重な馬として用いないようにしても、山川の神々が見逃すはずがない(だからお前も、どんな親であろうと、自分の努力次第で何にでもなれると考えなさい)」。


(※)仲弓……冉雍(ぜんよう)。孔子の門人。


【読み下し文】

子(し)、仲(ちゅう)弓(きゅう)を謂(い)いて曰(いわ)く、犂(り)牛(ぎゅう)(※)の子(こ)、騂(あか)くして且(か)つ角(つの)あらば、用(もち)いるなからんと欲(ほっ)すると雖(いえど)も、山川(やまかわ)、それを舍(す)てんや。


(※)犂牛……まだらの毛の牛。雑種牛。祭祀用には用いられないとされた。


【原文】

子謂仲弓曰、犂牛之子、騂且角、雖欲勿用、山川其舎諸、


*122話は長文のため、今回は2話のみの掲載となります。

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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