Facebook
Twitter
RSS

よみものどっとこむ

第107回

290話~292話

2016.12.27更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

290 訴訟ごとは早く解決すべきだ


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「ただ一言で、訴訟事件を裁決して、当事者を納得させることができるのは由(子路)(※)ぐらいだろう」。

子路は、一度引き受けたら、すぐに一生懸命仕事をして、期日を延ばしたりしない勇断、正義の人なので、みんな納得した。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、片言(へんげん)、以(もっ)て獄(うった)えを折(さだ)む(※)べき者(もの)は、其(そ)れ由(ゆう)なるか、と。子路(しろ)は宿諾(しゅくだく)(※)無(な)かりき。


(※)獄えを折む……裁判をして判決を下すこと。

(※)宿諾……承諾後にぐずぐずすること。


【原文】

子曰、片言可以折獄者、其由也與、子路無宿諾、


(※)子路の人物評……子路は孔子の門人の第一の人である。早くに死んだ顔淵などのように学識が一番優れているのではなく、そそっかしいところもあったが、孔子が身近に感じ、かわいく思っていた弟子である。正直、誠実であるが、少々勇が勝ち過ぎるところもあった(105話参照)。孔子と子路は、丈夫で立派な体形だったという。中島敦の名作『弟子』は、子路と孔子を描いたものだ。


291 世の中から訴訟ごとをなくしたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「訴訟ごとを聴いて、判決を出すことは、私も人並みにできるとは思う。しかし、私の願いとするところは、この世の中から訴訟ごとをなくしたいということなのである」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、訟(うった)えを聴(き)くは、吾(われ)は猶(な)お人(ひと)のごときなり。必(かなら)ずや、訟(うった)え無(な)からしめんか。


【原文】

子曰、聽訟吾猶人也、必也使無訟乎、


292 政治は熱意を持って誠実に行うべきだ


【現代語訳】

子張が政治にたずさわる時の心がけをたずねた。孔子先生は言われた。「その立場についたなら、やりがいを持ち、あきることなく熱意を持ってあたることだ。また、事にあたる時は、まごころを持って忠実に行うことだ」。


【読み下し文】

子張(しちょう)、政(まつりごと)を問(と)う。子(し)曰(いわ)く、之(これ)に居(お)りて(※)倦(う)むこと無(な)かれ。之(これ)を行(おこな)うに忠(ちゅう)を以(もっ)てせよ。


(※)之に居りて……本書のように「政治家の地位にあったら」と、「心を政治に専念して」と解する説(朱子など)がある。どちらも同じような意味だが、前者のように読んだほうが通じやすい。


【原文】

子張問政、子曰、居之無倦、行之以忠、



【単行本好評発売中!】この連載が本になりました。全国書店もしくはネット書店にてご購入ください。

この本を購入する
シェア

Share

感想を書く感想を書く

※コメントは承認制となっておりますので、反映されるまでに時間がかかります。

著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

矢印