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論語 全文完全対照版 野中根太郎

第148回

385話~387話

2017.02.27更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

385 人をよく選んで話せ


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「信頼のおける人なのに、重要なことを打ち明けないようだと、その人を失うことになる。信頼のおけない人なのに、重要なことを打ち明けると、失言問題を起こすことになる。知者は、信頼のおける人を失わないし、失言で間違いを起こすこともない」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、与(とも)に言(い)うべくして之(これ)と言(い)わざれば、人(ひと)を失(うしな)う。与(とも)に言(い)うべからずして之(これ)と言(い)えば、言(げん)を失(うしな)う。知者(ちしゃ)は人(ひと)を失(うしな)わず、亦(ま)た言(げん)を失(うしな)わず。


【原文】

子曰、可與言而不與之言、失人、不可與言而與之言、失言、知者不失人、亦不失言、


386 仁の道は我が身より尊い時がある


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「志士や仁人は、命が惜しいからといって仁の道にそむくようなことはしない。むしろ、自分の身を犠牲にしてまでも仁の道を守ろうとする場合がある」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、志士(しし)(※)、仁人(じんじん)(※)は、生(せい)を求(もと)めて以(もっ)て仁(じん)を害(がい)する無(な)く、身(み)を殺(ころ)して以(もっ)て仁(じん)を成(な)す有(あ)り。


(※)志士……学問修養をして、仁徳を身につけようと考え、そのうえで世の中に貢献しようという志のある人。

(※)仁人……仁徳を身につけた人。


【原文】

子曰、志士仁人、無求生以害仁、有殺身以成仁、


387 師と友をよく選んで仁を磨け


【現代語訳】

子貢が仁の実践方法をたずねた。孔子先生は言われた。「職人がよい仕事をしようと思えば、まずその道具を磨くことから始める。同じように、どの国においても、大夫の賢い人を選んでこれに仕え、また学問を志して仁の人になろうとする人を友人として、お互いを励まし合うようにしたい。こうしてまず自分を磨いていくのだ」。


【読み下し文】

子貢(しこう)、仁(じん)を為(な)さんことを問(と)う。子(し)曰(いわ)く、工(こう)(※)、其(そ)の事(こと)を善(よ)くせんと欲(ほっ)すれば、必(かなら)ず先(ま)ず其(そ)の器(き)を利(り)にす(※)。是(こ)の邦(くに)に居(お)るや、其(そ)の大夫(たいふ)の賢(けん)なる者(もの)に事(つか)え、其(そ)の士(し)の仁(じん)なる者(もの)を友(とも)とす。


(※)工……大工。職人。

(※)器を利にす……道具を磨く。


【原文】

子貢問爲仁、子曰、工欲善其事、必先利其器、居是邦也、事其大夫之賢者、友其士之仁者也、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国人から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100-変わる力 変える力のつくり方』(共にアイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術-相手の心を動かす「義」の思考方法』『全文完全対照版 論語コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 孫子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』(共に誠文堂新光社)などがある。

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