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よみものどっとこむ

第156回

409話~411話

2017.03.09更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

409 学問ができるようになれば、食(職)は向こうからやってくる


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君子が学問をするのは、いかにしたら道を得られるかを求めるためであって、いかにして食べていくかを求めるためではない。食べるために農民になっていくら耕しても不作の時があり、飢えることもある。反対に、学問は食べるための行為ではないかもしれないが、学が成れば、おのずから俸禄(ほうろく)を受けることにもつながる。だから君子は道が得られないことを心配するけれども、貧賤(ひんせん)のことを心配するものではない」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)は道(みち)を謀(はか)(※)りて食(しょく)を謀(はか)らず。耕(たがや)すも餒(う)え其(そ)の中(なか)に在(あ)り。学(まな)べば祿其(ろくそ)の中(なか)に在(あ)り。君子(くんし)は道(みち)を憂(うれ)えて貧(まず)しきを憂(うれ)えず。


(※)謀……熱心に求める。


【原文】

子曰、君子謀衜、不謀食、耕也餒在其中矣、學也祿在其中矣、君子憂衜、不憂貧、


410 人の上に立つ者は知慮に優れているだけではいけない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「知慮が君主としての地位にふさわしいものであっても、仁徳がないとその地位も得たとしても、いずれその地位を失うことになろう。知慮があって仁徳を備えていても、荘重な威厳を持って民に臨まなければ、民は尊敬しないだろう。知慮があって、仁徳を備え、威厳を持って民に臨んだとしても、民を動かすのに礼を持ってしないと、完全に善いとは言えない」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、知(ち)之(これ)に及(およ)ぶも、仁(じん)もて之(これ)を守(まも)る能(あた)わざれば、之(これ)を得(う)と雖(いえど)も、必(かなら)ず之(これ)を失(うしな)う。知(ち)之(これ)に及(およ)び、仁(じん)もて能(よ)く之(これ)を守(まも)るも、荘(そう)(※)にして以(もっ)て之(これ)に涖(のぞ)(※)まざれば、則(すなわ)ち民(たみ)は敬(けい)せず。知(ち)之(これ)に及(およ)び、仁(じん)もて能(よ)く之(これ)を守(まも)り、荘(そう)にして以(もっ)て之(これ)に涖(のぞ)むも、之(これ)を動(うご)かすに礼(れい)を以(もっ)てせざれば、未(いま)だ善(よ)からざるなり。


(※)荘……威厳。荘重。

(※)涖……臨む。接する。


【原文】

子曰、知及之、仁不能守之、雖得之必失之、知及之、仁能守之、不莊以涖之、則民不敬、知及之、仁能守之、莊以涖之、動之不以禮、未善也、


411 小さな事ができなくても悔やむことはない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君子は小さな仕事をうまくやれないことがあるが、大きな仕事を任せられる。小人は、大きな仕事は任せられないが、小さな仕事に用いることはできる」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)は小知(しょうち)(※)せしむべからずして、大受(だいじゅ)(※)せしむべきなり。小人(しょうじん)は大受(たいじゅ)せしむべからずして、小知(しょうち)せしむべきなり。


(※)小知……小さな仕事。

(※)大受……大事を受け入れる。大きな仕事を任せる。


【原文】

子曰、君子不可小知、而可大受也、小人不可大受、而可小知也、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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