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よみものどっとこむ

第161回

421話~422話

2017.03.16更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

421 天下に道がある時は政治も筋が通っている


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「天下に道がある時は、礼楽や征伐の命は天子から起こる。天下に道がない時は、礼楽や征伐の命は諸侯から起こる。天子から出るべき命が諸侯から起こるのは筋ではないので、およそ十代までにおかしくならないことはめったにない。これが大夫から起こるような時は、五代まででおかしくなる。さらにその陪臣(ばいしん)(大夫の家来)から、命が出るような時は三代まででおかしくなる。天下に道があれば、政治は大夫の手などに握られることはない。また、天下に道があれば、一般庶民が政治批判を熱心に議論することはなくなる」。


【読み下し文】

孔子(こうし)曰(いわ)く、天下(てんか)に道(みち)有(あ)れば、則(すなわ)ち礼楽(れいがく)征伐(せいばつ)(※)、天子(てんし)自(よ)り出(い)づ。天下(てんか)に道(みち)無(な)ければ、則(すなわ)ち礼楽(れいがく)征伐(せいばつ)、諸侯(しょこう)自(よ)り出(い)づ。諸侯(しょこう)自(よ)り出(い)づれば、蓋(けだ)し十世(じっせい)にして失(うしな)わざること希(まれ)なり。大夫(たいふ)自(よ)り出(い)づれば、五世(ごせい)にして失(うしな)わざること希(まれ)なり。陪臣(ばいしん)国命(こくめい)を執(と)れば、三世(さんせい)にして失(うしな)わざること希(まれ)なり。天下(てんか)に道(みち)有(あ)れば、則(すなわ)ち政(まつりごと)は大夫(たいふ)に在(あ)らず、天下(てんか)に道(みち)有(あ)れば、則(すなわ)ち庶人(しょじん)議(ぎ)せず。


(※)礼楽征伐……「礼楽」は広く文教政策を指し、「征伐」は武力、軍事のことを意味する。


【原文】

孔子曰、天下有衜、則禮樂征伐自天子出、天下無衜、則禮樂征伐自諸侯出、自諸侯出、蓋十世希不失矣、自大夫出、五世希不失矣、陪臣執國命、三世希不失矣、天下有衜、則政不在大夫、天下有衜、則庶人不議、


422 歴史の法則からはずれることはできない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「魯の国では、爵禄(しゃくろく)を決め与える権限が公室を離れてから五代になる。政治の実権が大夫の手に移ってから四代になる。だからあの三桓(さんかん)の子孫が衰えてきたのもよくわかる」。


【読み下し文】

孔子(こうし)曰(いわ)く、禄(ろく)(※)の公室(こうしつ)(※)を去(さ)ること五世(ごせい)(※)なり。政(まつりごと)の大夫(たいふ)に逮(およ)ぶこと四世(しせい)(※)なり。故(ゆえ)に夫(か)の三桓(さんかん)の子孫(しそん)微(び)(※)なり。


(※)禄……貢(みつ)ぎ物や租税など。ここでは爵位、俸禄を与える実権を指す。

(※)公室……魯公の家。

(※)五世……魯では文公が死んだ後、その子である宣公、成公、襄公、昭公、定公を入れて五代となる。

(※)四世……季文子、武子、平子、桓子の四代。

(※)微……衰微する。


【原文】

孔子曰、祿之去公室五世矣、政逮於大夫四世矣、故夫三桓之子孫微矣、


*421話と422話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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