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よみものどっとこむ

第169回

438話~439話

2017.03.29更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

438 理想を実行する意欲を強く持つ


【現代語訳】

公山弗擾(こうざんふつじょう)(※)がその主人・季氏の領地である費を根拠として謀叛(むほん)を起こして、孔子先生を招こうとした。先生は行く気になられた。高弟の子路はおもしろくなく思って言った。「先生が行くのはやめたほうがいいでしょう。どうして公山氏などのところに行くのです」。

先生は言われた。「私を招くにはそれなりの覚悟があるのだろう。誰であれ、私を招いて用いてくれれば、私はこの東方の魯の国に、かつて盛んだった周の文王、武王の道を再興してみたい」。


【読み下し文】

公山弗擾(こうざんふつじょう)、費(ひ)を以(もっ)て畔(そむ)き子(し)を召(め)す。子(し)往(ゆ)かんと欲(ほっ)す。子路(しろ)、説(よろこ)ばずして曰(いわ)く、之(ゆ)く末(な)からんのみ。何(なん)ぞ必(かなら)ずしも公山氏(こうざんし)に之(こ)れ之(ゆ)かんや。子(し)曰(いわ)く、夫(そ)れ我(われ)を召(め)す者(もの)は、豈(あに)徒(いたず)らならんや。如(も)し我(われ)を用(もち)うる者(もの)有(あ)らば、吾(われ)は其(そ)れ東周(とうしゅう)と為(な)さん(※)か。


(※)公山弗擾……公山は姓。弗擾は名。季氏の家老。季氏の領地である費の長官を務めた。

(※)東周と為さん……周の国が盛んだった文王や武王のような時代を西周という。今は都を東に移して東周というが、魯をして昔の西周のように盛んにしたいという孔子の思いを表現している。


【原文】

公山弗擾以費畔、召、子欲徃、子路不說曰末之也已、何必公山氏之之也、子曰、夫召我者、而豈徒哉、如有用我者、吾其爲東周乎、


439 仁の具体的な意味


【現代語訳】

子張が仁とは何かについて孔子先生にたずねた。先生は言われた。「五つのことを天下に行うことができるようになれば仁と言える」。

子張は、「その五つについて教えてください」と言った。

先生は答えられた。「その五つとは恭、寛、信、敏、恵である。(一)恭とは自分を慎んでおごらないことだが、そうすると人に侮られない。(二)寛とは人におおらかなことであるが、そうすると人望を得られる。(三)信とは信義を守ることだが、そうすると人に信頼される。(四)敏とはすぐ実行することだが、そうすれば業績が上がる。(五)恵とは人に恵み深いことだが、そうすると人もついてきてくれて、やりたいことができるようになる」。


【読み下し文】

子張(しちょう)、仁(じん)を孔子(こうし)に問(と)う。孔子(こうし)曰(いわ)く、能(よ)く五者(ごしゃ)を天下(てんか)に行(おこな)うを仁(じん)と為(な)す。之(これ)を請(こ)い問(と)う。曰(いわ)く、恭(きょう)、寛(かん)、信(しん)、敏(びん)、恵(けい)なり。恭(きょう)なれば則(すなわ)ち侮(あなど)られず。寛(かん)なれば則(すなわ)ち衆(しゅう)を得(う) 。信(しん)なれば則(すなわ)ち人(ひと)これに任(にん)ず。敏(びん)なれば則(すなわ)ち功(こう)有(あ)り。恵(けい)なれば則(すなわ)ち以(もっ)て人(ひと)を使(つか)うに足(た)る。


【原文】

子張問仁於孔子、孔子曰、能行五者於天下爲仁矣、請問之、曰、恭寛信敏惠、恭則不侮、寛則得衆、信則人任焉、敏則有功、惠則足以使人、


*438話と439話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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