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よみものどっとこむ

第172回

442話~444話

2017.04.03更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

442 詩を学べ


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君たちはどうしてあの詩(詩経)を学ばないのだ。詩を学べば心を奮い立たせてくれるし、人情、風俗など、いろいろなことを観察することができる。また、人々の気持ちともよくつながり、仲よくできるし、人をうらむ気持ちもうまく制御することができる。詩によって心を養えば、近くにおいては親によく仕え、遠いところでは君によく仕えることができる。さらに鳥獣や草木の名も多く知ることができ、知識、教養も広くなる」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、小子(しょうし)、何(なん)ぞ夫(か)の詩(し)を学(まな)ぶ莫(な)きや。詩(し)は以(もっ)て興(おこ)(※)すべく、以(もっ)て観(み)るべく、以(もっ)て羣(ぐん)(※)すべく、以(もっ)て怨(うら)むべし。之(これ)を邇(ちか)くしては父(ちち)に事(つか)え、之(これ)を遠(とお)くしては君(きみ)に事(つか)え、多(おお)く鳥獣(ちょうじゅう)草木(そうもく)の名(な)を識(し)る。


(※)興……心を奮い立たせること。感奮興起。

(※)羣……大勢の人と事をともにする。人々と仲よくできる。


【原文】

子曰、小子、何莫學夫詩、詩可以興、可以觀、可以羣、可以怨、邇之事父、遠之事君、多識於鳥獸草木之名、


443 まず基本をしっかりと学べ


【現代語訳】

孔子先生が、我が子の伯魚(はくぎょ)に言われた。「お前は、詩経の最初の二篇、周南・召南を修めたか。人としてこれらを修めないと、ちょうど塀(へい)を前にして立っているようなもので、何も見えず、一歩も前進できない」。


【読み下し文】

子(し)、伯魚(はくぎょ)に謂(い)いて曰(いわ)く、女(なんじ)は周南(しゅうなん)、召南(しょうなん)(※)を為(おさ)めたるか。人(ひと)にして周南(しゅうなん)、召南(しょうなん)を為(おさ)めざれば、其(そ)れ猶(な)お正(ただ)しく牆面(しょうめん)(※)して立(た)つがごときか。


(※)周南、召南……詩経の最初の二篇の名。二篇合わせて二十五の詩がある。多くは王公、大夫の夫婦生活を中心とする。修身斉家(しゅうしんせいか)の道を歌ってある。

(※)牆面……塀に向かって面している状態。前進もできず、中も見えない。


【原文】

子謂伯魚曰、女爲周南召南矣乎、人而不爲周南召南、其猶正牆面而立也與、


444 形式より根本の精神がより大切である


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「人は礼、礼とよく言うが、大切なのは礼物としての玉(ぎょく)とか帛(はく)(絹布の束)のことであろうか。『楽(がく)だ、楽だ』と言うが、大切なのは鐘や太鼓のことであろうか。礼楽にとってより大切なのは、形式よりもその精神である」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、礼(れい)と云(い)い礼(れい)と云(い)う、玉帛(ぎょくはく)(※)を云(い)わんや。楽(がく)と云(い)い楽(がく)と云(い)う、鐘鼓(しょうこ)(※)を云(い)わんや。


(※)玉帛……玉と絹布の束。礼を行う時に執とる道具。

(※)鐘鼓……楽器。周代には琴瑟(きんしつ)とともに重要な楽器。


【原文】

子曰、禮云禮云、玉帛云乎哉、樂云樂云、鐘鼓云乎哉、



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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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