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よみものどっとこむ

第174回

448話~450話

2017.04.05更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

448 つまらない人物と仕事は組むな


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「志の低い、人格下劣の者と一緒に奉公(ほうこう)(宮使え)などできるものではない。なぜなら、そうした者は自分の地位や権力が得られない時、どうすればそれが手に入るかということばかりに一生懸命になるし、いったんそうした地位や権力を手にすると、今度はそれを失わないことばかりを心配する。そして、地位や権力を失わないようにと心配するあまり、どんなことでもやりかねなくなる」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、鄙夫(ひふ)(※)は与(とも)に君(きみ)に事(つか)うべけんや。其(そ)の未(いま)だ之(これ)を得(え)ざれば、之(これ)を得(え)んと患(うれ)う。既(すで)に之(これ)を得(う)れば、之(これ)を失(うしな)わんことを患(うれ)う。苟(いやし)くも之(これ)を失(うしな)わんことを患(うれ)うれば、至(いた)らざる所(ところ)無(な)し。


(※)鄙夫……志の低い、人格下劣な者。心が悪く、見識も狭い人。


【原文】

子曰、鄙夫可與事君也與哉、其未得之也、患得之、既得之、患失之、苟患失之、無所不至矣、


449 昔のよいところは残していきたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「昔の人は狂(きょう)、矜(きょう)、愚(ぐ)という三つの欠点があったが、それはそれでよきことも併せ持っていた。しかし今では、そのよさもなくなり、ひどい状態になってしまった。昔の狂は志が大きくて気ぐらいが高すぎ、大まかであったが、今の狂は気ままでやりたい放題になってしまっている。昔の矜は、自分に持するところが高く、誇りがあるため、角が立つところがあったが、今の矜は、怒って人と争うところばかりが強くなっている。昔の愚は、バカ正直なところがあったが、今の愚はごまかしや、ずるさのあるものばかりとなっている」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、古者(いにしえ)は民(たみ)に三疾(さんしつ)有(あ)りき。今(いま)や或(ある)いは是(こ)れ之(これ)亡(な)きなり。古(いにしえ)の狂(きょう)(※)や肆(し)(※)なり。今(いま)の狂(きょう)や蕩(とう)(※)なり。古(いにしえ)の矜(きょう)(※)や廉(れん)(※)なり、今(いま)の矜(きょう)や忿戻(ふんれい)(※)なり。古(いにしえ)の愚(ぐ)や直(ちょく)なり、今(いま)の愚(ぐ)や詐(いつわ)れるのみ。


(※)狂……志が大きくて、気位が高すぎて、狂ったように見える。

(※)肆……ほしいまま。小さな行いを慎まない。

(※)蕩……とろける。でたらめ。

(※)矜……自分の誇り。気概。自分の気持ちに厳格なこと。

(※)廉……角があること。丸くないこと。

(※)忿戻……怒りを抱いて、人と争うこと。


【原文】

子曰、古者民有三疾、今也或是之兦也、古之狂也肆、今之狂也蕩、古之矜也廉、今之矜也忿戾、古之愚也直、今之愚也詐而已矣、


450 口がうまく、つくり笑いをするような人間に本物は少ない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。人にこびたことを言い、つくり笑いをするような人間に、私たちのめざす仁の人などいない。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、巧言令色(こうげんれいしょく)には鮮(すくうな)し仁(じん)。


【原文】

子曰、巧言令色、鮮矣仁、


(※注)……この論語は、3話と同じ内容で重出している。



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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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