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よみものどっとこむ

第182回

464話

2017.04.17更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

464 批判する者には自分の思いを語りたい


【現代語訳】

楚の国で狂人といわれている接輿(せつよ)という者が、歌を歌いながら孔子先生の宿舎の門を過ぎていった。その歌は先生を鳳凰(ほうおう)にたとえたもので、「鳳凰よ、鳳凰よ、お前は霊鳥で聖君が世に出る時に舞うというのに、この乱れた世に出るとは、何とその霊徳(れいとく)の衰えたことよ。過ぎてしまったことは致し方ないが、今後のことであればまだ間に合う。やめなさい。やめなさい。今の政治に関わるのは危ないぞ」というものであった。これを聞いた先生は部屋を出て、接輿に自分の志していることを語ろうと思った。しかし、接輿は小走りに去っていったので、それを語ることはできなかった。


【読み下し文】

楚(そ)の狂(きょう)、接輿(せつよ)(※)歌(うた)いて孔子(こうし)を過(よぎ)りて曰(いわ)く、鳳(ほう)(※)や鳳(ほう)や、何(なん)ぞ徳(とく)の衰(おとろ)えたる。往(ゆ)きし者(もの)(※)は諫(いさ)むべからず、来(き)たる者(もの)(※)は猶(な)お追(お)うべし。已(や)まんのみ已(や)まんのみ。今(いま)の政(まつりごと)に従(したが)う者(もの)は殆(あや)うし。孔子(こうし)下(くだ)りて之(これ)と言(い)わんと欲(ほっ)す。趨(はし)りて之(これ)を辟(さ)け、之(これ)と言(い)うを得(え)ざりき。


(※)接輿……詳しいことはわかっていないが、楚の人で住人であったとされている。

(※)鳳……霊鳥で聖君が現れると世に出現するとされ、雄を「鳳」といい、雌を「凰」という。ここでは孔子のことを指している。

(※)往きし者……過去のこと。過ぎてしまったこと。

(※)来たる者……将来のこと。これからのこと。


【原文】

楚狂接輿歌而過孔子、曰、鳳兮鳳兮、何德之衰也、徃者不可諫、來者猶可追、已而已而、今之從政者殆而、孔子下欲與之言、趨而辟之、不得與之言、


*464話が長文のため、今回は1話のみの掲載となります。



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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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