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よみものどっとこむ

第185回

467話

2017.04.20更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

467 自分のなすべきはよく考えて時に合わせて決めていきたい


【現代語訳】

古(いにしえ)の人で逸民(※)と称せられる者が七人ある。伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)、虞仲(ぐちゅう)(※)、夷逸(いいつ)(※)、朱張(しゅちょう)(※)、柳下恵(りゅうかけい)、少連(しょうれん)(※)である。孔子先生は言われた。「常に志を高く持ち、その身を汚さなかったのは伯夷と叔斉である」。

柳下恵と少連については、「志も下げ、我が身も汚したものの、その言葉は義理にかない、その行いは思慮分別にかなっていた。まあ、それぐらいのものだ」と言われた。

虞仲と夷逸については、「世から隠(かく)れて言いたいことを言っていたが、身の処し方は清白で、世の捨て方もほどよくうまくやっていた」と言われた。

そして、自分のことについては、「私はこうした逸民とは違う。道理に従い、可とすべき時は可とし、不可とすべき時は不可とし、進退を自在にして決めていくのである」とされた。


(※)逸民……賢才はあるが、世を逃れた人。世を逃れ、世から忘れ去られている地位の低い人。

(※)虞仲……定説がなく、よくわからない人物。太伯(泰伯)の弟・仲雍(ちゅうよう)とする説や、仲雍の曾孫とする説などがある。

(※)夷逸……同じくよくわかっていない人物。人物ではないという説もある。

(※)朱張……虞仲や夷逸と同じく、よくわかっていない。朱張に対する孔子の評がないのは、おそらくどこかの時点で抜け落ちてしまったのであろうとする説が有力。

(※)少連……東夷の子という説もあるが、よくわかっていない。


【読み下し文】

逸民(いつみん)には、伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)、虞仲(ぐちゅう)、夷逸(いいつ)、朱張(しゅちょう)、柳下恵(りゅうかけい)、少連(しょうれん)あり。子(し)曰(いわ)く、其(そ)の志(こころざし)を降(くだ)さず、其(そ)の身(み)を辱(はずかし)めざるは、伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)か。柳下恵(りゅうかけい)、少連(しょうれん)を謂(のたまわ)く。志(こころざし)を降(くだ)し、身(み)を辱(はずかし)むるも、言(げん)は倫(みち)に中(あた)り、行(おこな)いは慮(りょ)に中(あた)る。其(そ)れ斯(これ)のみ。虞仲(ぐちゅう)、夷逸(いいつ)を謂(のたまわ)く。隠居(いんきょ)して放言(ほうげんn)(※)し、身(み)は清(せい)に中(あた)り、廃(はい)は権(けん)に中(あた)る(※)。我(われ)は則(すなわ)ち是(これ)に異(こと)なる。可(か)とする無(な)く、不可(ふか)とするも無(な)し。


(※)放言……はばかることなしに言うこと。

(※)廃は権に中る……放言を受けて言う。「廃」は捨てられて用いられないこと。「権」は時と場合に応じて適宜の処置をすること。


【原文】

逸民、伯夷、叔齊、虞仲、夷逸、朱張、柳下惠、少連、子曰、不降其志、不辱其身、伯夷叔齊與、謂柳下惠少連、降志辱身矣、言中倫、行中慮、其斯而已矣、謂虞仲夷逸、隱居放言、身中淸、廢中權、我則異於是、無可無不可、


*467話が長文のため、今回は1話のみの掲載となります。



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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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