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第17回

「姿勢は人生を映す鏡!」不良姿勢を考えよう。

2018.07.17更新

読了時間

【 この連載は… 】 テレビ、雑誌などでお馴染みの「姿勢」の第一人者が、疲れない体をつくる知識とメソッドを徹底紹介。医学的理論に基づいた「全身のつながり」を意識した姿勢改善エクササイズで、腰痛や肩こり、慢性疲労などの不調を劇的に改善します。


 今回からは下肢(骨盤から足の指まで)を中心に説明していきます。
 その前に、全体の不良姿勢について考えましょう。
 姿勢が乱れた原因は何だろう? 実は、これまでの人生を振り返ると見えてくることも多くあります。
 例えば、以下の内容を振り返ってみましょう。

  1. 1. 赤ちゃんのとき、ベビーベッドや布団が壁際にありましたか?

     親は、壁の反対側からしか赤ちゃんに接することができないため、赤ちゃんは壁を背にして親のほうに向くクセができます。ひどい場合は、下になった頭の側が「絶壁」になることもあります。

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  2. 2. 現在、横向きに寝ているときに、どちら側を下にしたほうが楽ですか?

     右を下にしたほうが楽な人は、右の肩が前に出て、巻き込み肩になっているかもしれません。体格の大きな人は、重さによって上側の腕が体の前を覆うようになり、左の肩が前に引っ張られ、反対に、左肩が巻き込み肩になっているかもしれません。

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  3. 3. 小さいときから、髪の毛をどちらに分けていましたか?

     机の蛍光灯の位置や、食卓とテレビとの位置などによって、髪の分け目は自然と決まってきます。左分けであれば、右側は髪が邪魔になるため、必然的に左側に顔が向きやすくなります。もしかしたら、食卓でその方向にテレビがあったのかもしれません。

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  4. 4. 小さいとき、あぐらでしたか? 割り座でしたか?

     あぐら座りをすると、股関節が外側に開きやすくなり、O脚になりやすくなります。割り座の場合は、股関節が内側に閉じやすくなりX脚になるかもしれません。

  5. 5. 横座りするとき、お尻の左側を床につけますか? 右側を床につけますか?

     お尻の左側を床につける方が楽なら、左の股関節は外側に開きやすくなり、右の股関節は内側に閉じやすくなります。これがクセになると、左膝はO脚気味になり、右膝はX脚気味になるかもしれません。そうなると、左足首を捻挫しやすくなり、右足は扁平足や外反母趾になったり、膝の内側に痛みが出る(鵞足炎)かもしれません。

  6. 6. 椅子や便座から立つとき膝をくっつけたまま?

     女性の場合、「女の子は、お膝を開くとみっともないから、しっかり閉じてから立ちなさい」とお母さんから指導されたことがありませんか? こういうクセで立ち上がることが多い女の子は、内股になり、そういう人は、立って膝をピンと伸ばすとO脚になることが多いです。

  7. 7. バンザイするとき、両腕が耳より後ろにいきますか?

     バンザイをするとき、猫背になっている人は腕が耳の後ろまでいかなくなります。猫背があると、高いところの物を取ろうとすると腰痛が発生します。

  8. 8. ショルダーバッグやトートバッグを右肩と左肩のどちらに掛けますか?

     バッグを掛ける方の肩が上がり、反対の肩が下がる傾向が強いです。いつもと逆にかけると、掛けた側の肩が下がったままで、すぐいつもの側に掛け直してしまいます。

  9. 9. 立っているときにどちらの足を前に出した休みの姿勢をとりますか?

     左足に体重をかけて右足を少し横か前に出して立つクセがある人は、左側の骨盤の高さが右側より高くなっていることが多いです。そういう人は、左膝はO脚気味になり、左足首を捻挫しやすくなります。反対に右膝は、膝の外側が緊張し(腸脛靱帯炎)、膝の内側が引っ張られて痛みが出て(鵞足炎)、足は扁平足や外反母趾になりやすくなります。

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  10. 10. 椅子に座って足を組むとき、どちらの足を持ち上げますか?

     持ち上げやすい側の骨盤は、反対側よりも後ろに傾いて(後傾)います。また骨盤も反対側より高い位置になります。歩くときには、前に振り出しやすい側の骨盤は反対側に比べて後傾しています。つまり、左足を組みやすい人は、歩くときも、左足を前に振り出しやすくなります。

  11. 11.座って勉強や仕事をしているときや、スマホや携帯型ゲームをしているときに楽な姿勢は?

     猫背になっていませんか? 頭が体より前に出て、あごが上がった姿勢になり、口が軽く開いていませんか? この姿勢は悪い姿勢の典型例ですが、本人はこれが楽な姿勢だと思っています。楽な姿勢は良い姿勢ではないことを自覚しないと駄目ですね。猫背がひどくなると、首こり、肩こり、偏頭痛、腰痛、胃下垂、肺活量低下、うつ病など様々な不調が生じてきます。

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  12. 12. 靴底の外側あるいは内側がすり減っていませんか?

     子どもは生まれたときはO脚です。1歳を過ぎ、歩けるようになるに従い、膝周りの筋力も付いてきてO脚も直っていきます。正しい膝の形は、約5゜だけ、X脚傾向になっています。しかし、日常の立ち方や歩き方のクセから、O脚の子は靴の外側がすり減り、X脚の子は靴の内側がすり減ってきます。

  13. 13. 怪我をしたことは? どこを? 何回?

     その怪我は、たまたまそこに生じたのでしょうか? いいえ。実は、自分の姿勢の悪さが、その怪我を引き起こしたのです。しかも、何回も繰り返してしまうのです。

 これら13項目で、思い当たる姿勢やクセはありましたか?
 自分にとっては楽な姿勢でも、それは決して良い姿勢とはいえないのです。無意識にとっている楽な姿勢が、悪い姿勢へと変わっていくのです。
 たまたま左足首を捻挫した、たまたま右膝が痛くなった、たまたま左肩がこりやすくなった。みなさん、こう思うことが多いのですが、でも、じつは「たまたま」ではなく、不良姿勢が原因で、身体の使い方にクセがついていることから生じることが多いのです。
 特に、筋膜のインバランスは、ライフスタイルやスポーツ、趣味、怪我の既往などで様々に生じます。このインバランスが、頭痛、首凝り、肩凝り、猫背、頭部前方位姿勢、肺活量低下、腰痛、肉離れ、捻挫、扁平足、外反母趾、内臓障害などを生じさせます。
 しかし、逆を言えば、「姿勢を正せば不調も治せる」のです。

「筋膜をリリースする」+「必要なエクササイズを追加する」
 →「全身の代謝が上がる」
 →「血流が良くなる」
 →「集中力と持久力がつく」
 →「活動に参加する筋の数と量が増える」
 →「行動が俊敏になる」
 →「細かな動作が上手になる」
 →「結果に自信がつき、精神も安定する」
 →「内臓の働きも良くなり、健康的になる」
 →「身体全体の動きがスムーズになり、全身の血流もさらに良くなる」
 →「脳の働きが良くなる」

 こういった良い効果を得るためにどう考えればいいのか?
 下肢を中心に、これらの機能異常を良くする方法を考えていきましょう。

 次回は、体の中心に位置する、骨盤の不良姿勢について説明しましょう。

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【前回(第16回)までで解説した上半身の姿勢改善が、本になりました。】
『疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい』

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著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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