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子どもの敏感さに困ったら 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 長沼睦雄

第19回

【HSCの本】<子育てアドバイス>言葉が出にくい

2017.11.10更新

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5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。
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■子どもの変化を観察してあげて

「敏感な男児の母です。5歳になるのですが、言いたいことがあるときに、なかなか言葉が出てきません。顔をしかめて、うなって訴えるだけ。『ん~、ん~、だけじゃわからないから、しゃべって伝えてよ』と言っても、不機嫌そうにうなるだけ。ふだんから言葉は少ないほうですが、普通に意思の疎通はできます。これってただ甘えているだけじゃないのかな、優しい顔で何でもやってあげたら、この子自身のためにならないのでは? と思うのですが」

 言葉が出てきにくいのには、いろいろ種類があります。

 たくさん頭の中にイメージが湧きすぎて、なんといって言葉にしたらいいのかわからないということもあります。パニックになり頭の中が過剰に働きすぎて、かえって機能が落ちることもあります。

 まったく感情やイメージが湧かない、何も出てこなくて言えないということもあります。

 言うのが怖くて止まってしまうということもあります。

 もうひとつ、スロープロセッシング(情報処理が遅い)という症状もあります。自閉スペクトラム症的な症状で、聞かれてもすぐには答えが出ず、後になってからその意味が了解されて答えられるのです。

 この子の場合、ふだんは言葉が出ているようなので、「伝えたいことがあるけれど、言うのが怖くて止まってしまう」パターンではないかと考えられます。敏感な子の中には、お母さんがイライラしている、怒っているみたいだというのを感じとるだけで、舌や表情がこわばり、言葉が出てこなくなる子がいます。

 普通に話せるときと、言葉が出ないときの状況、子どもの変化をよく観察してみてください。言葉が出てきにくいときには、急かさないようにすることが大切です。お母さんのほうも気持ちを落ち着かせて、眉間にしわを寄せたしかめっ面をしないようにして、にこやかに「ママにわかるように説明してくれるかな?」と言ってみてはどうでしょう。

 それでも変わらなかったら、別の可能性について、考えてみてください。

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著者

長沼 睦雄

十勝むつみのクリニック院長。1956年山梨県甲府市生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。北海道立札幌療育センターにて14年間児童精神科医として勤務。平成20年より北海道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と大人の診療を行ったのち、平成28年に十勝むつみのクリニックを帯広にて開院。HSC/HSP、神経発達症、発達性トラウマ、アダルトチルドレン、慢性疲労症候群などの診断治療に専念し「脳と心と体と食と魂」「見えるものと見えないもの」のつながりを考慮した総合医療を目指している。

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