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よみものどっとこむ

第115回

309話~311話

2017.01.11更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

309 兄弟が始祖の魯と衛は、その政治も似ている


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「魯(ろ)は周公旦(しゅうこうたん)に始まり、衛(えい)は周公の弟・康叔(こうしゅく)により始められた、元来が兄弟の国である(初めは両国とも善政のよい国だったのに、今は両国とも政治が乱れていて嘆かわしい)


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、魯(ろ)と衛(えい)との政(まつりごと)は、兄弟(けいてい)ていなり。


【原文】

子曰、魯衞之政兄弟也、


310 足ることを知る


【現代語訳】

孔子先生が衛の公子荊(けい)(※)について言われた。「家をうまく治められる人だ。初めて家を持ち、家財が少ない時でも、『ちょうどいい、ころあいだ』と言った。やがて少し財産ができた時も、『これで十分だ』と言った。そして、裕福になった時には、『なかなか立派なもんだ』と満足していた」。


(※)公子荊……衛の大夫。


【読み下し文】

子(し)、衛(えい)の公子荊(こうしけい)を謂(い)う。善(よ)く室(しつ)に居(お)る、と。始(はじ)めて有(あ)(※)るや曰(いわ)く、苟(いやし)(※)くも合(がっ)せり、と。少(すこ)しく有(あ)れば曰(いわ)く、苟(いやし)くも完(まつた)し、と。富有(ふゆう)なれば曰(いわ)く、苟(いやし)くも美(び)なり、と。


(※)有……家財があること。

(※)苟……「まあまあ」「どうにか」、あるいは「誠に」「なかなか」などの意。


【原文】

子謂衞公子荊、善居室、始有曰苟合矣、少有曰苟完矣、富有曰苟美矣、


311 国民を豊かにし、信義・道徳が浸透する社会にしたい


【現代語訳】

孔子先生が衛(えい)の国に行かれた時、冉有(ぜんゆう)が馬車を御してお供した。先生は、衛の国の様子を見て言われた。「人がいっぱいだな」。

冉有は言った。「はい。人口が多いようですが、さらに何をしたらよいと思われますか」。

先生は言われた。「国民生活を豊かにすることだ」。

冉有はまた言った。「国民が豊かになったら、さらに何をしたらいいと思われますか」。

先生は言われた。「教育の充実だ(すなわち、信義・道徳の正しい道が浸透する社会にしたいものだ)」。


【読み下し文】

子(し)、衛(えい)に適(ゆ)く。冉有(ぜんゆう)、僕(ぼく)(※)たり。子(し)曰(いわ)く、庶(おお)(※)いかな。冉有(ぜんゆう)曰(いわ)く、既(すで)に庶(おお)し。又(また)何(なに)をか加(くわ)えん。曰(いわ)く、之(これ)を富(と)まさん。曰(いわ)く、既(すで)に富(と)めば、又(また)何(なに)をか加(くわ)えん。曰(いわ)く、之(これ)を教(おし)えん。


(※)僕……召し使い。ここでは馬車を御すこと。

(※)庶……いっぱいの人がいることを指す。


【原文】

子適衞、冉有僕、子曰、庶矣哉、冉有曰、既庶矣、又何加焉、曰富之、曰既富矣、又何加焉、曰敎之、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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