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よみものどっとこむ

第121回

322話

2017.01.19更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

322 向上心あふれ、仕事の結果を出していく人でありたい


【現代語訳】

子貢がたずねた。「どういう人を士(志のある立派な人物)というのでしょうか」。

孔子先生は言われた。「自分の行いをよく顧みて恥を知り(責任感・向上心があり)、どこに派遣されても君命をはずかしめることなく、目的を遂行できる者を士という」。子貢は、そこまでいかなくてもその次くらいの者とはどんな人かをたずねた。

先生は言われた。「一族の間で孝行者といわれ、郷里の人の間で先輩を立ててよく尽くす人といわれ、ほめられている人のことである」。子貢は、さらにその次の者はどんな人かをたずねた。

先生は言われた。「言うことに偽りはなく、行うことは必ず結果を出そうとする者だ。これは小さくまとまり過ぎた面はあるが、その次くらいの者とは言っていいのではないか」。最後に子貢がたずねた。「今の政治にたずさわっている人たちはどうでしょうか」。

先生は言われた。「ああ、つまらない人たちばかりだ。取り上げるまでもない」。


【読み下し文】

子貢(しこう)、問(と)うて曰(いわ)く、如何(いかん)なれば斯(ここ)に之(これ)を士(し)と謂(い)うべきか。子(し)曰(いわ)く、己(おのれ)を行(おこな)うに恥(はじ)有(あ)り。四方(しほう)に使(つか)いして君命(くんめい)を辱(はずかし)めず。士(し)と謂(い)うべし。曰(いわ)く敢(あ)えて其(そ)の次(つぎ)を問(と)う。曰(いわ)く、宗族(そうぞく)、孝(こう)を称(しょう)し、郷党(きょうとう)、弟(てい)(※)を称(しょう)す。曰(いわ)く、敢(あ)えて其(そ)の次(つぎ)を問(と)う。曰(いわ)く、言(い)うこと必(かなら)ず信(しん)、行(おこな)うこと必(かなら)ず果(か)。硜硜然(こうこうぜん)(※)として小人(しょうじん)なるかな。抑〻(そもそも)亦(ま)た以(もっ)て次(つぎ)と為(な)すべし。曰(いわ)く、今(いま)の政(まつりごと)に従(したが)う者(もの)は如何(いかん)。子(し)曰(いわ)く、噫(ああ)(※)、斗筲(としょう)の人(ひと)(※)、何(なん)ぞ算(かぞ)うるに足(た)らんや。


(※)弟……悌順。ここでは年配をよく立てる人の意。

(※)硜硜然……小石がぶつかる音の形容。ここでは小さくまとまっているの意。

(※)噫……「ああ」など不満の気持ちを表す。

(※)斗筲の人……器物。ここではつまらない人の意。


【原文】

子貢問曰、何如斯可謂之士矣、子曰、行己有恥、使於四方不辱君命、可謂士矣、曰、敢問其次、曰、宗族稱孝焉、鄕黨稱弟焉、曰、敢問其次、曰、言必信、行必果、硜硜然小人也、抑亦可以爲次矣、曰、今之從政者何如、子曰、噫、斗筲之人、何足算也、


*322話が長文のため、今回は1話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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