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よみものどっとこむ

第122回

323話~325話

2017.01.20更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

323 せめて中道の理想に近い者と一緒に歩みたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私は、中道(中庸)の道を行う理想の人とともに歩みたいが、そういう人がなかなか得られないのであるなら、せめて狂者(きょうしゃ)と狷者(けんしゃ)を得て、これに道を教えてともに歩いていきたい。狂者は行いがまだ伴わないところがあるが、志がとても高く、進んで善の道を行おうと思っている。また、狷者は、まだ知識の及ばないところがあるが、節度をかたく守り、人に迷惑をかけない者であるからだ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、中行(ちゅうこう)(※)なるものを得(え)て之(これ)に与(くみ)せずんば、必(かなら)ずや狂狷(きょうけん)か。狂(きょう)なる者(もの)は進(すす)みて取(と)り、狷(けん)なる者(もの)は為(な)さざる所(ところ)有(あ)るなり。


(※)中行……中正を得た行い。中庸の徳にかなった行い。


【原文】

子曰、不得中行而與之、必也狂狷乎、狂者進取、狷者有所不爲也、


324 恒心(心がふらつかない)の人でありたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「南国の人のことわざに次のようなものがある。『恒心(心が安定している)がなく、言うこと為すことがいつも変わるような人は、巫女(みこ)でも医者でも治しようがない』。これは本当のことである。易経にも、『その行いに一定の道徳がない者は、いつもはずかしめを受けることになる』とあるが、まったく易で占うまでもなく確かなことだ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、南人(なんじん)言(い)えること有(あ)り、曰(いわ)く、人(ひと)にして恒(つね)(※)無(な)ければ、以(もっ)て巫医(ふい)(※)を作(な)すべからず、と。善(よ)いかな。其(そ)の徳(とく)を恒(つね)にせざれば、或(ある)いは之(これ)に羞(はじ)を承(すす)む、とあり。子(し)曰(いわ)く、占(うらな)わずして已(や)まん。


(※)恒……変わらないこと。梁恵王上で孟子は「恒産無くして恒心有る者は、惟(た)だ士(し)のみ能(よ)くするを為す」と述べている。つまり、「お金や財産がなくても心が変わることなく正しい道を進めるのは士のみである」と。恒心とは不変の心のこと。吉田松陰は「武士は食わねど高楊枝(たかようじ)」の意味と説明している。

(※)巫医……「巫」は「みこ」で、ここでは易者と解してもよい。「医」は医者のこと。


【原文】

子曰、南人有言、曰、人而無恆、不可以作巫醫、善夫、不恆其德、或承之羞、子曰、不占而已矣、


325 君子は人と調和できるが、群れたりはしない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君子は、人とは仲よくするが雷同することはない(いたずらに群れない)。小人は、すぐ雷同するが(群れるが)、大切な時に協力しない」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、君子(くん)は和(わ)(※)して同(どう)(※)ぜず、小人(しょうじん)は同(どう)じて和(わ)せず。


(※)和……一つに溶け合うこと。ここでは仲よくすることの意。

(※)同……外面だけ他と合わせる。ここでは雷同すること。


【原文】

子曰、君子和而不同、小人同而不和、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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