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よみものどっとこむ

第127回

338話~339話

2017.01.27更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

338 答えなくて通じることがある


【現代語訳】

南宮适(なんきゅうかつ)(※)がたずねた。「昔、羿(げい)(※)は弓の名手であり、奡(ごう)(※)は地上で舟を動かせるほどの力持ちであったのに、どちらも非業の死を遂げました。禹(う)(※)と稷(しょく)(※)は、ただ自ら農業に従事しただけの人のように見えて、天下を取りましたが、これはどういうことでしょうか」。

孔子先生は答えられなかった。しかし、南宮适がその場を出ていくと、先生は言われた。「君子だなあ、あの人は。徳を尊ぶ人であるなあ、あの人は」。


(※)南宮适……魯の大夫南宮敬叔という説と、門人の南容という説がある。「問いて曰く」という書き方から前者とみる説が多いようだ。

(※)羿……夏(か)の時代の諸侯で、有窮国の君。夏の天子相(しょう)を滅ぼして、その地位を奪ったが、その臣寒浞(かんそく)に殺された。

(※)奡……寒浞の子で、夏の天子相の子の小康に殺された。

(※)禹……舜から譲られて天子となり夏王朝を始めた。

(※)稷……姓は姫(き)、名は棄(き)。周の始祖。


【読み下し文】

南宮适(なんきゅうかつ)、孔子(こうし)に問(と)いて曰(いわ)く、羿(げい)は善(よく)く射(しゃ)、奡(ごう)は舟(ふね)を盪(うご)かす。俱(とも)に其(そ)の死然(しぜん)を得(え)ず、禹(う)、稷(しょく)は躬(みずか)ら稼(か)(※)して天下(てんか)を有(たも)てり、と。夫子(ふうし)、答(こた)えず。南宮适(なんきゅうかつ)出(い)づ。子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)なるかな、若(かくのごと)きの人(ひと)、徳(とく)を尚(たっと)ぶかな、若(かくのごと)き人(ひと)。


(※)稼……穀物の実。農業に従事すること。


【原文】

南宮适問於孔子曰、羿善射、奡盪舟、俱不得其死然、禹稷躬稼而有天下、夫子不答、南宮适出、子曰、君子哉若人、尙德哉若人、


339 小人が仁に至ることなどありえない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君子は仁をめざして徳を修めていこうとする人だが、たまには間違えることだってあるだろう。しかし、小人は、そもそも徳を修めていこうなどと思っていないのだから、仁に至ることなどない」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)にして不仁(ふじん)なる者(もの)は有(あ)るかな。未(いま)だ小人(しょうじん)にして仁(じん)なる者(もの)有(あ)らざるなり。


【原文】

子曰、君子而不仁者有矣夫、未有小人而仁者也、


*338話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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