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よみものどっとこむ

第133回

350話

2017.02.06更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

350 管仲の仁は大きく政治力の面で発揮された。この面を重視しなくてはならない


【現代語訳】

子貢(しこう)が、孔子先生に言った。「管仲は仁者とは言えないのではないでしょうか。桓公が公子糾を殺した時、殉死しなかったばかりか、その後に敵対していた桓公を助けています」。

先生は言われた。「管仲は桓公を助けて諸侯の覇者とし、周王室を尊ばせ、天下を正しく安定させた。人々は今に至るまで、その恩恵を受けている。もし管仲がいなかったら、野蛮な外国に征服されて、私たちは夷狄(いてき)の民と同じように、ざんばら髪で、着物も左前に着ることになっていよう。管仲のこうした功績を、たとえば若い男女が約束を守り通して、田んぼの溝(みぞ)の中で首をくくって死に、何人(なんびと)も知らないままに終わるような生き方と、どうして比較して論ぜられようか」。


【読み下し文】

子貢(しこう)曰(いわ)く、管仲(かんちゅう)は仁者(じんしゃ)に非(あら)ざるか。桓公(かんこう)、公子糾(こうしきゅう)を殺(ころ)したるに、死(し)する能(あた)わず。又(ま)た之(これ)を相(たす)く。子(し)曰(いわ)く、管仲(かんちゅう)は桓公(かんこう)を相(たす)けて、諸侯(しょこう)に覇(は)たらしめ、天下(てんか)を一匡(いっきょう)(※)す。民(たみ)、今(いま)に至(いた)るまで、其(そ)の賜(たまもの)を受(う)く。管仲(かんちゅう)微(な)かりせば、吾(われ)其(そ)れ髪(かみ)を被(こうむ)り、衽(えり)を左(ひだり)にせん。豈(あに)匹夫匹婦(ひっぷひっぷ)(※)の諒(まこと)(※)を為(な)し、自(みずか)ら溝瀆(こうとく)に経(くび)れて之これを知(し)らるる莫(な)きが若(ごと)くならんや。


(※)一匡……正しくまとめて一つにする。

(※)匹夫匹婦……匹は一のこと。ここではそのへんにいる一人一人の男女のこと。

(※)諒……小さな信義。


【原文】

子貢曰、管仲非仁者與、桓公殺公子糾、不能死、又相之、子曰、管仲相桓公㶚諸侯、一匡天下、民到于今受其賜、微管仲、吾其被髮左衽矣、豈若匹夫匹婦之爲諒也、自經於溝瀆而莫之知也、


*350話は長文のため、今回は1話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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