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よみものどっとこむ

第135回

354話~355話

2017.02.08更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

354 正しい筋道を通すことを忘れないでほしい


【現代語訳】

斉の陳成子(ちんせいし)(※)が君主の簡公(かんこう)(※)を殺した。孔子先生は、斎戒沐浴して身を清めてから朝廷に出仕し、魯の君主である哀公に申し上げられた。「斉の陳恒(ちんこう)がその君主を殺しました。これは許されざる大逆ですから、これを討ってください」。

しかし、哀公は、「あの三人(孟孫、叔孫、季孫)に言いなさいと申された」。

先生は、「私も大夫の末席につらなっている以上、申し上げざるをえなかったのだ。しかし、君は、『あの三人の者どもに言え』と申された」。そして先生は三人のところに行って話したが、もちろん聞いてくれなかった(魯の三者は、斉の陳恒と同じような立場の大夫であり、魯の君をないがしろにしていた)」。

先生は言われた。「私も大夫の末席にいる以上、君主に正しいと思うことを申し上げずにいられなかったのだ」。


(※)陳成子……田常ともいう。姓は陳。名は恒。諡は成。もともとは陳の公子の子孫であったが、斉で力を得て、遂に簡公を殺してその位を奪った。

(※)簡公……斉の君主であったが、陳成子に殺された。名は壬(じん)。景公の孫。


【読み下し文】

陳成子(ちんせいし) 、簡公(かんこう)を弑(しい)す。孔子(こうし)、沐浴(もくよく)して朝(ちょう)し、哀公(あいこう)に告(つ)げて曰(いわ)く、陳恒(ちんこう)、其(そ)の君(きみ)を弑(しい)す。請(こ)う、之(これ)を討(う)たん。公(こう)曰(いわ)く、夫(か)の三子(さんし)(※)に告(つ)げよ。孔子(こうし)曰(いわ)く、吾(われ)は大夫(たいふ)の後(しり)えに従(したが)うを以(もっ)て敢(あ)えて、告(つ)げずんばあらざるなり。君(くみ)曰(いわ)く、夫(か)の三子者(さんししゃ)に告(つ)げよと。三子(さんし)に之(ゆ)きて告(つ)ぐ。可(き)かれず。孔子(こうし)曰(いわ)く、吾(われ)は大夫(たいふ)の後(しり)えに従(したが)うを以(もっ)て敢(あ)えて、告(つ)げずんばあらざるなり。


(※)三子……桓公の子の家柄で孟孫、叔孫、季孫を指す。


【原文】

陳成子弑簡公、孔子沐浴而朝、吿於哀公曰、陳恆弑其君、請討之、公曰、吿夫三子、孔子曰、以吾從大夫之後、不敢不吿也、君曰、吿夫三子者、之三子吿、不可、孔子曰、以吾從大夫之後、不敢不吿也、


355 まごころを持って仕えて、初めて諫言も生きる


【現代語訳】

子路が君主に仕えるにおいての心構えをたずねた。孔子先生は言われた。「決して欺いてはいけない(まごころを持って仕えるべきだ)。そのうえで君主に過ちがあれば、嫌がられても諫めなければならない」。


【読み下し文】

子路(しろ)、君(きみ)に事(つか)えんことを問(と)う。子(し)曰(いわ)く、欺(あざむ)く勿(な)かれ。而(しこう)して之(これ)を犯(おか)(※)せ。


(※)犯……嫌な顔をされても、怒っていてもかまわずに諫めること。


【原文】

子路問事君、子曰、勿欺也、而犯之、


*354話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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