Facebook
Twitter
RSS

よみものどっとこむ

第140回

368話~369話

2017.02.15更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

368 うらみには、公平無私の正直さで報いたい


【現代語訳】

ある人が質問した。「うらみに報いる場合に徳でもってするというのはどうでしょうか」。

孔子先生は言われた。「では、徳に報いる場合に何をもって報いたらよいのであろうか。うらみに対しては、公平無私の正直さで報いて、徳には徳で報いるのがよかろう」。


【読み下し文】

或(ある)ひと曰(いわ)く、徳(とく)(※)を以(もっ)て怨(うら)みに報(むく)いたらば何如(いかん)。子(し)曰(いわ)く、何(なに)を以(もっ)て徳(とく)に報(むく)いん。直(なお)きを以(もっ)て怨(うら)みに報(むく)い、徳(とく)を以(もっ)て徳(とく)に報(むく)いん。


(※)徳……ここでは恩恵のことを指す。一般で徳というと人として備えたい立派な人格のことであるが、ここでは単に恩恵、善意を意味する。なお、老子に「怨みに報ゆるに徳を以てす」という有名な言葉があるが、孔子はこの立場をとらない。


【原文】

或曰、以德報怨、何如、子曰、何以報德、以直報怨、以德報德、


369 どんな運命であろうとも、天をうらんだり、人をとがめたりしない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私を知る人はいないな」。

それを聞いて子貢が言った。「どうして先生を知らないことがありましょうか」。

先生は言われた。「私を国政に生かそうという君主がいなかったということだ。しかし、だからといって、天をうらんだりしない。人をとがめて人のせいにもしない。ただ身近なことから学んでいき、高い領域にまで達してきた。こういう私を本当に知っているのは天だけであろうな」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、我(われ)を知(し)るもの莫(な)きかな。子貢(しこう)曰(いわ)く、何(なん)為(す)れぞ其(そ)れ子(し)を知(し)る莫(な)からんや。子(し)曰(いわ)く、天(てん)を怨(うら)みず、人(ひと)を尤(とが)めず。下学(かがく)して上達(じょうたつ)す(※)。我(われ)を知(し)る者(もの)は、其(そ)れ天(てん)なるか。


(※)下学して上達す……身近な小さなことから学び、だんだんに高い領域に上がっていくこと。


【原文】

子曰、莫我知也夫、子貢曰、何爲其莫知子也、子曰、不怨天、不尤人、下學而上逹、知我者其天乎、


*369話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


【単行本好評発売中!】この連載が本になりました。全国書店もしくはネット書店にてご購入ください。

この本を購入する
シェア

Share

感想を書く感想を書く

※コメントは承認制となっておりますので、反映されるまでに時間がかかります。

著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

矢印