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よみものどっとこむ

第141回

370話~371話

2017.02.16更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

370 他人のざん言にいちいち反応するより、信じる道を進んでいたい


【現代語訳】

公伯寮(こうはくりょう)(※)が、子路のことを魯の権力者の一人季孫子(きそんし)にざん言した。大夫である子服景伯(しふくけいはく)(※)が、孔子先生にこのことを伝えて、さらに言った。「季孫子は公伯寮の言うことに疑問を持っていますが、子路も疑われているかもしれません。私は公伯寮をやっつけてさらし者にすることぐらいできますが、どうしましょうか」。

先生は言われた。「放っておきなさい。子路の疑いが晴れたり、道が正しく行われたりすることも運命でしょう。また逆に、道が正しく行われないことも運命でしょう。公伯寮ごときに、こうした運命をどうにかすることなどできるはずがありません」。


(※注)……孔子は魯の政治を名分正しくしようとして、いわゆる三桓(さんかん)という権力者の大夫たちの力を弱めようとしていた。高弟の子路を三桓の中の季孫子に宰として仕えさせ、それを実行していたが、三桓の抵抗でうまくいかなかった。この論語は、その流れの中でのことである。

(※)公伯寮……魯の人。詳しいことはわかっていない。

(※)子服景伯……姓は子服。名は何(か)。諡(おくりな)は景。伯は字。三桓の人で力があったらしいが、孔子に好意を寄せていた。


【読み下し文】

公伯寮(こうはくりょう)、子路(しろ)を季孫(きそん)に愬(うった)(※)う。子服景伯(しふくけいはく)、以(もっ)て告(つ)げて曰(いわ)く、夫子(ふうし)固(もと)より公伯寮(こうはくりょう)に惑(わく)志(し)有(あ)り。吾(わ)が力(ちから)、猶(な)お能(よ)く諸(これ)を市朝(しちょう)に肆(さら)(※)さん。子(し)曰(いわ)く、道(みち)の将(まさ)に行(おこな)われんとするや、命(めい)なり。道(みち)の将(まさ)に廃(はい)せんとするや、命(めい)なり。公伯寮(こうはくりょう)、其(そ)れ命(めい)を如何(いかん)せん


(※)愬……ざん言する。

(※)肆……屍(しかばね)をさらすこと。


【原文】

公伯寮愬子路於季孫、子服景伯以吿曰、夫子固有惑志於公伯寮、吾力猶能肆諸市朝、子曰、衜之將行也與、命也、衜之將廢也與、命也、公伯寮其如命何、


371 賢人は災いを避けることができる


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「賢人は、世が乱れた時に世を避けるようにする。その次は土地を避けて、別のところに行く。その次は君主の顔色を見て、よくないと思えばこれを避ける。その次は、君主の言葉を聞いて、よくないと判断すればこれを避ける」。

先生はさらに言われた。「このようにした賢人は七人ほどいた」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、賢者(けんじゃ)は世(よ)を避(さ)く。其(そ)の次(つぎ)には地(ち)を避(さ)く。其(そ)の次(つぎ)には色(いろ)(※)を避(さ)く。其(そ)の次(つぎ)には言(げん)(※)を避(さ)く。子(し)曰(いわ)く、作(た)つ者(もの)七人(しちにん)ありき(※)。


(※)色……顔色、様子。

(※)言……ここでは君主の言葉。

(※)七人ありき……具体的に名前はわかっていない。「七人ではなく、そこそこいた」と言いたかったと解する説も有力。


【原文】

子曰、賢者避世、其次避地、其次避色、其次避言、子曰、作者七人矣、


*370話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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