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よみものどっとこむ

第143回

374話~376話

2017.02.20更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

374 喪に服す礼を忘れてはいけない


【現代語訳】

子張(しちょう)がたずねた。「書経(しょきょう)に『殷(いん)の高宗(こうそう)(※)が諒陰(りょうあん)(※)といって喪に服している三年の間、物を言わなかった』とありますが、どういう意味ですか」。 孔子先生は言われた。「それは何も高宗のみに限ったことではない。昔の人は皆そうであった。君が亡くなると百官(すべての官吏)は身を引きしめて、三年の間、冢宰(ちょうさい)(総理大臣)に命を仰いで政治を行ったのだ」。


(※)高宗……殷の中興の王、武ぶ丁てい。

(※)諒陰……天子が喪に服している間。


【読み下し文】

子張(しちょう)曰(いわ)く、書(しょ)に云(い)う、高宗(こうそう)は諒陰(りょうあん)に、三年(さんねん)言(もの)いわず、とあり。何(なん)の謂(い)いぞや。子(し)曰(いわ)く、何(なん)ぞ必(かなら)ずしも高宗(こうそう)のみならん。古(いにしえ)の人(ひと)は皆(なな)然(しか)り。君(きみ)薨(こう)ずれば、百官(ひゃっかん)は己(おのれ)を総(すべ)て、以(もっ)て冢宰(ちょうさい)に聴(き)くこと三年(さんねん)なり。


【原文】

子張曰、書云、高宗諒陰三年不言、何謂也、子曰、何必高宗、古之人皆然、君薨、百官總己以聽於冢宰三年、


375 一心同体になる秘訣


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「上に立つ者が礼を好んで臨めば、下の者も、それに応じて奮囲気がよくなってまとまり、すべての物事は進めやすくなる」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、上(かみ)、礼(れい)を好(この)めば、則(すなわ)ち民(たみ)、使(つか)い易(やす)きなり。


【原文】

子曰、上好禮、則民易使也、


376 世の中をよくしていくことは、自分が修養し、向上することから始まる


【現代語訳】

子路が君子とはどのような人をいうのかたずねた。孔子先生は言われた。「自分の修養に努め、自分を慎んで怠らないようにする人である」。

子路は言った。「それだけでいいんですか」。

先生は言われた。「そうだ。自分が修養していくことで日々向上すれば、まわりの人もそれに感化されてよくなっていくのである」。

子路はそれでもよくわからなくて、また言った。「本当にそれだけでいいんですか」。

先生は言われた。「自分が修養していくことで、世の人々をよくしていくのだ。自分が修養し、さらなる人格の向上に励むことで、世の人々によい影響を与え、幸福に導いていくことは、あの堯ぎよう、舜しゆんのような偉大な天子でさえ苦労したのである」。


【読み下し文】

子路(しろ)、君子(くんし)を問(と)う。子(し)曰(いわ)く、己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て敬(けい)す。曰(いわ)く、斯(こ)の如(ごと)きのみか。曰(いわ)く、己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て人(ひと)を安(やす)んず(※)。曰(いわ)く、斯(こ)の如(ごと)きのみか。曰(いわ)く、己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て百姓(ひゃくせい)を安(やす)んず(※)。己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て百姓(ひゃくせい)を安(やす)んずるは、堯舜(ぎょうしゅん)も其(そ)れ猶(な)お諸(これ)を病(や)めり(※)。


(※)人を安んず……自分に関係する人をよくしていく、安心させる。

(※)百姓を安んず……天下の人民全体をよくしていく、安心させる。

(※)病めり……困難。難しい。


【原文】

子路問君子、子曰、脩己以敬、曰如斯而已乎、曰脩己以安人、曰如斯而已乎、曰脩己以安百姓、脩己以安百姓、堯舜其猶病諸、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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