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よみものどっとこむ

第145回

379話~380話

2017.02.22更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

衛霊公(えいれいこう)第十五


379 困っても取り乱すな。必ず道は開ける


【現代語訳】

衛(えい)の霊公が孔子に軍の陣立て(運用術)のことをたずねた。孔子先生は答えられた。「私は祭具の並べ方などの礼は学んでおりますが、軍隊の並べ方などは学んでおりません」。そして次の日、孔子先生一行は衛の国を去られた。

陳の国を通っている時に(軍に間違えられて囲まれ)一時、食糧がなくなった。お供をしていた門人たちも飢えて、疲れ、立つこともできないほどであった。

こうした時、子路は不満げに先生に言った。「先生、徳のある君子でも、困窮することがあるのですか」。

先生は答えられた。「君子でも当然困窮することはある。しかし、小人は困窮すると取り乱すが、君子は取り乱さない(だから君子は、必ず困窮を打開することができるのだ)」。


【読み下し文】

衛(えい)の霊公(れいこう)、陳(じん)(※)を孔子(こうし)に問(と)う。孔子(こうし)対(こた)えて曰(いわ)く、俎豆(そとう)の事(こと)(※)は則(すなわ)ち嘗(かつ)て之(これ)を聞(き)けり。軍旅(ぐんりょ)の事(こと)は未(いま)だ学(まな)ばざるなり、と。明日(めいじつ)遂(つい)に行(さ)る(※)。陳(ちん)に在(あ)りて糧(りょう)を絶(た)つ。従者(じゅうしゃ)病(や)み、能(よ)く興(た)つこと莫(な)し。子路(しろ)慍(いか)(※)り見(まみ)えて曰(いわ)く、君子(くんし)も亦(ま)た窮(きゅう)する有(あ)るか。子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)固(もと)より窮(きゅう)す。小人(しょうじん)は窮(きゅう)すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。


(※)陳……ここでの陳は古字で「じん」と読む。軍隊のこと。後に出てくる陳は国名で「ちん」と読む。なお、ここで孔子が衛を去ったのは、自分の考えている礼のことや名分正すことなどのことから国を盛り立てていこうと考えているのに、霊公は戦争のことで頭がいっぱいで、礼のことなど関心がないのがわかったためである。

(※)俎豆の事……祭礼、その他の礼についてのこと。

(※)遂に行る……すぐに去ること。

(※)慍……心に不満を持つ。


【原文】

衞靈公問陳於孔子、孔子對曰、俎豆之事、則嘗聞之矣、軍旅之事、未之學也、明日遂行、 在陳絕糧、從者病、莫能興、子路慍見曰、君子亦有窮乎、子曰、君子固窮、小人窮斯濫矣、


380 本質を貫く


【現代語訳】

孔子先生は子貢に問われた。「賜(子貢)よ。お前は私のことを、多くを学びこれをよく識(し)っている博学の者と思っているのか」。

子貢は答えた。「はい。そうではありませんか」。

先生は言われた。「そうではないのだ。私は、学問、修養の本質を(一つを)貫いているだけなのだ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、賜(し)や、女(なんじ)は予(われ)を以(もっ)て多(おお)くを学(まな)びて之(これ)を識(し)る者(もの)と為(な)すか。対(こた)えて曰(いわ)く、然(しか)り。非(あら)ざるか。曰(いわ)く、非(あら)ざるなり。予(われ)は一以(いつもつ)て之(これ)を貫(つらぬ)く。


【原文】

子曰、賜也、女以予爲多學而識之者與、對曰然、非與、曰、非也、予一以貫之、


*379話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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