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論語 全文完全対照版 野中根太郎

第21回

58話~60話

2016.08.19更新

読了時間

58 人の悪口も自分が正しいと思えば無視したい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私が君主に仕えて礼を重んじているのを見て、それをへつらい、おべっかだと批判する人がいる。それでも、自分が正しいと思うことは自分を励まして堂々とやっていきたい」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、君(きみ)の事(つか)うるに礼(れい)を盡(つく)せば、人(ひと)は以(もっ)て諂(へつら)いとなすなり。


【原文】

子曰、事君盡禮、人以爲諂也、


59 いいかげんな主従関係では何もよいものは生まれない


【現代語訳】

魯(ろ)の定(てい)公(こう)(※)がたずねた。「君主がうまく臣下を使い、臣下がよく君主に仕(つか)えるにはどういうことに注意すべきだろうか」。

孔子先生は言われた。「君主が臣下を使うときには、礼儀をもって大切に使い、臣下が君主に仕えるときには誠心誠意のまごころをもって仕えるのが理想です」。


(※)定公……魯の君主。孔子をよく用いた時の君主。


【読み下し文】

定(てい)公(こう)問(と)う。君(きみ)、臣(しん)を使(つか)い、臣(しん)、君(きみ)に事(つか)うるには、之(こ)を如(い)何(かん)せん。孔子(こうし)対(こた)えて曰(いわ)く、君(きみ)、臣(しん)を使(つか)うに礼(れい)を以(もっ)てし、臣(しん)、君(きみ)に事(つか)うるに忠(ちゅう)を以(もっ)てす。


【原文】

定公問、君使臣、臣事君、如之何、孔子對曰、君使臣以禮、臣事君以忠、


60 楽しみも哀しみもほどほどに(中庸がいい)


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「詩経(しきょう)の間(かん)雎(しょ)(※)は夫婦和合の詩だが、楽しんでもあまりに行きすぎることなく、哀(かな)しんでもやけにならないという中庸(ちゅうよう)のよさを教えてくれる」。


(※)間雎……詩経にある有名な最初の詩。


【読み下し文】

子曰く、間雎(かんしょ)は楽しんで淫(いん)せず、哀(かな)しんで傷(やぶ)らず。


【原文】

子曰、關雎、樂而不淫、哀而不傷、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国人から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100-変わる力 変える力のつくり方』(共にアイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術-相手の心を動かす「義」の思考方法』『全文完全対照版 論語コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 孫子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』(共に誠文堂新光社)などがある。

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