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よみものどっとこむ

第23回

63話~65話

2016.08.23更新

読了時間

63 音楽は人の心、魂の発露であり、社会の調和を表わしている


【現代語訳】

孔子先生が魯(ろ)の音楽長官に音楽について言われた。「私は音楽についてこのように思っている。すなわち、始めは『翕如(きゅうじょ)』といって、各楽器の音が揃って起きる。次に『純如(じゅんじょ)』といって、各楽器それぞれの音色(ねいろ)を調和させる。さらに『皦如(きょうじょ)』といって、その調和の中に楽器それぞれの音色の個性を出す。そのうえで『繹如(えきじょ)』といって、音がずっと続くようにする。こうして一つの音楽が成り立つさまは、まさに政治のめざすべきものと同じではないか」。


【読み下し文】

子(し)、魯(ろ)の大師(たいし)に楽(がく)を語(かた)りて曰(いわ)く、楽(がく)は其(そ)れ知(し)るべきなり。始(はじ)め作(おこ)すや翕如(きゅじょ)たり。之(これ)に従(したが)うこと純如(じゅんじょ)たり。繹如(えきじょ)たり。以(もっ)て成(な)る。


【原文】

子語魯大師樂曰、樂其可知也。始作翕如也、從之純如也、皦如也、繹如也、以成、


64 志ある者の不遇にも理由がある


【現代語訳】

儀(ぎ)(※)の国境を通る時、役人が孔子先生の面会を求めた。その役人は「私はここを通られる君子の方には、必ず会わせていただいております」と言った。そこで従者が先生に面会させた。

役人は部屋から退出してくると、従者の門人たちに言った。「皆さん、先生の不遇を嘆いておられるようだが、心配してはなりません。今、天下の進むべき道が、おかしくなって久しいものがあります。天は、まさに先生を通じて、この間違いを正さなければならないことを広く伝えるために、諸国を歩かせているに違いありません」。


(※)儀……衛の地方。


【読み下し文】

儀(ぎ)の封(ほう)人(じん)、見(まみ)えんことを請(こ)うて曰(いわ)く、君子(くんし)の斯(ここ)に至(いた)るや、吾(わ)れ未(いま)だ嘗(かつ)て見(み)るを得(え)ずんばあらざるなり。従者(じゅうしゃ)、之(これ)を見(まみ)えしむ。出(い)でて曰(いわ)く、二三子(にさんし)、何(なん)ぞ喪(うしな)う(※)を患(うれ)えんや。天下(てんか)の道(みち)なきや久(ひさ)し。天(てん)、将(まさ)に夫子(ふうし)を以(もっ)て木鐸(ぼくたく)となさんとす。


(※)喪う……ここでは政治上の地を失い、国を去ること。


【原文】

儀封人請見、曰、君子之至於斯也、吾未嘗不得見也、從者見之、出曰、二三子何患於喪乎、天下之無道也久矣、天將以夫子爲木鐸、


65 音楽は美しさに加えて善(道徳的価値)があれば最高である


【現代語訳】

孔子先生が聖人とされる舜の音楽である「韶(しょう)」について言われた。「美(※)もすばらしいし、善(※)もすばらしい」。

周の英雄武(ぶ)王(おう)の音楽である「武(ぶ)」について言われた。「美はすばらしいが、善はすばらしいとはいえない(武力によって紂(ちゅう)王(おう)を倒して天下をとっただけに、善の要素が足りないように思えたのだろう)」。


(※)美……音律の美しいこと。

(※)善……徳があること。


【読み下し文】

子、韶(しょう)を謂(い)う。美を尽くし、また善(ぜん)を尽(つ)くせり。武(ぶ)を謂(い)う。美(び)を尽(つ)くせり。未(いま)だ善(ぜん)を尽(つ)くさず。


【原文】

子謂韶、盡美矣、又盡善也、謂武、盡美矣、未盡善也、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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