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よみものどっとこむ

第56回

157話~159話

2016.10.12更新

読了時間

157 何も考えずに行動するのはよくない


【現代語訳】

孔子先生は、顔(がん)淵(えん)(顔回)に言った。「自分を認めて用いる人があれば大いにこれに応え、人に見捨てられた時も、機会を待って修業する。今、これができるのは私とお前ぐらいのものだろうな」。

これを聞いた子路は、先生に言った。「もし、先生が大国の軍隊を動かすとしたら誰と組みますか」。

先生は言われた。「虎と素手で闘い、黄河を泳いで渡って(暴虎(ぼうこ)馮河(とが))、死んでも後悔しないような者(ここでは子路を指す)とは組まないよ。もし、組むならば慎重に考えて計画し、必ず勝つ策を練るような者と組むよ」。


【読み下し文】

子(し)、顔(がん)淵(えん)に謂(い)いて曰(いわ)く、これを用(もち)い、これを舎(す)つれば則(すなわ)ち蔵(かく)(※)る。惟(た)だ我(われ)と爾(なんじ)とのみ是(こ)れあるかな。子(し)路(ろ)曰(いわ)く、子(し)、三軍(さんぐん)(※)を行(や)らば則(すなわ)ち誰(だれ)と与(とも)にせん。子(し)曰(いわ)く、虎(とら)を暴(う)ち河(かわ)を馮(わた)り、死(し)して悔(く)いなき者(もの)は、吾(わ)れ与(とも)にせざるなり。必(かなら)ずや事(こと)に臨(のぞ)みて懼(おそ)れ、謀(はかりごと)を好(この)みて成(な)す者(もの)なり。


(※)蔵……身を隱すこと。広くは隠れて自分を修養する意味を含む。

(※)三軍……大国の出す大群のこと。


【原文】

子謂顏淵曰、用之則行、舍之則藏、唯我與爾有是夫、子路曰、子行三軍、則誰與、子曰、暴虎馮河、死而無悔者、吾不與也、必也臨事而懼、好謀而成者也、


158 富は天からの預かり物。だから自分のやるべきことをやるだけである


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「もし富というものが自ら求めて得るべきものであれば、王侯行列の整理係のような卑しい仕事でも何でもするだろう。しかし、富というのは天からの預かり物で、天命で決まると思っているから、私は自分のやりたいこと、理想に向かって生きるのみである」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、富(とみ)にして求(もと)めくんば、執(しつ)鞭(べん)の士(し)(※)と雖(いえど)も、吾(わ)れ亦(ま)たこれを為(な)さん。如(も)し求(もと)むべからずんば、吾(わ)が好(この)む所(ところ)に従(したが)わん。


(※)執鞭の士……鞭を持ち、王侯の行列の先払いをする役目の人。


【原文】

子曰、富而可求也、雖執鞭之士、吾亦爲之、如不可求、從吾所好、


159 慎重に対応すべき問題もある


【現代語訳】

孔子先生が発言を控え、慎重に対応したのは、宗教上の行事のこと、戦争のこと、病気のことについてであった。


【読み下し文】

子(し)の慎(つつ)しむ所(ところ)は、齊(さい)(※)と、戦(せん)と、疾(しつ)。


(※)齋……祭祀の前に身を清め、心を整えること。そこからここでは、宗教上のことを広く解した。


【原文】

子之所愼、齋戰疾、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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