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よみものどっとこむ

第57回

160話~162話

2016.10.13更新

読了時間

160 すばらしい芸術に感動する


【現代語訳】

孔子先生が斉の国に滞在した時、韶(しょう)の音楽(伝説の聖王舜をたたえる音楽)を何カ月も聞かれた。そのすばらしさに感動して、肉を食べてもその味がよくわからないほどであった。そして、言われた。「思いもよらなかった。音楽でこんなに感動することができるとは」。


【読み下し文】

子(し)、斉(せい)にありて韶(しょう)を聞(き)く。三月(さんげつ)、肉(にく)の味(あじ)を知(し)らず、曰(いわ)く、図(はか)らざるき、楽(がく)を為(な)すことの斯(ここ)に至(いた)るや。


【原文】

子在齊、聞韶楽三月、不知肉味、曰、不圖爲樂之至於斯也、


161 正しいと思えないことには関わらない


【現代語訳】

冉(ぜん)有(ゆう)が子(し)貢(こう)に聞いた。「孔子先生は、衛君(※)に味方なさるだろうか(衛君の出(しゅっ)公(こう)は君主になりたがっている父と争っていた)」。

子貢は、「わかった、私がたずねてこよう」と言った。

子貢は孔子先生の部屋に入ってたずねた。「伯(はく)夷(い)と叔(しゅく)斉(せい)をどう思われますか」。

先生は言われた。「昔の偉人である」。

子貢は続けてたずねた。「二人の兄弟は君主の座を譲り合って国外に出てしまいましたが、後悔しなかったでしょうか」。

先生は言われた。「仁を求めて仁を得た。つまり、人として正しい道を貫いたのだ。何の後悔があろうか」。

子貢は部屋を出てきて言った。「先生は衛公を味方することはしないよ」。


(※)衛君……衛の出公輒。父が国外に亡命じていたので、祖父の意志で衛公の位についた。その後、国外に逃亡していた父が即位を求めて帰国しようとしたのを拒んで内乱状態となった。


【読み下し文】

冉(ぜん)有(ゆう)曰(いわ)く、夫子(ふうし)は衛(えい)君(くん)を為(たす)けんか。子(し)貢(こう)曰(いわ)く、諾(だく)。吾(わ)れ将(まさ)にこれを問(と)わんとす、と。入(い)りて曰(いわ)く、伯(はく)夷(い)、叔(しゅく)斉(せい)は何人(なんぴと)ぞや。曰(いわ)く、古(いにしえ)の賢人(けんじん)なり。曰(いわ)く、怨(うら)みたるか。曰(いわ)く、仁(じん)を求(もと)めて仁(じん)を得(え)たり。又(ま)た何(なに)をか怨(うら)みん。出(い)でて曰(いわ)く、夫子(ふうし)は為(たす)けざるなり。


【原文】

冉有曰、夫子爲衞君乎、子貢曰、諾、吾將問之、入曰、伯夷叔齊何人也、子曰、古之賢人也、曰怨乎、曰、求仁而得仁、又何怨乎、出曰、夫子不爲也、


162 大切なのは自分の思う正しい生き方である


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「粗末な食事をし、汁はないので水を飲み、腕を曲げて枕代わりとするような貧しい生活をしていても、その中に必ず楽しみを見出すことができる。やってはいけないことをしてお金や高い地位を得たとしても、私にしてみれば、そんなものはしょせん浮雲のようにはかないものだと思う」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、疏食(そしょく)を飯(くら)い水(みず)を飲(の)み、肱(ひじ)を曲(ま)げてこれを枕(まくら)とす。楽(たの)しみ亦(ま)た其(そ)の中(なか)にあり。不義(ふぎ)にして富(と)み且(か)つ貴(とうと)きは、我(われ)に於(おい)て浮雲(ふうん)の如(ごと)し。


【原文】

子曰、飯疏食飮水、曲肱而枕之、樂亦在其中矣、不義而富且貴、於我如浮雲、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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