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よみものどっとこむ

第6回

13話~15話

2016.07.26更新

読了時間

13 約束は道理で判断し、人づき合いは礼に気を付ける


【現代語訳】

有子は言った。「人と約束する時、それが行ってよいものかどうかは、道理に対する近さで考えたい。道理に合うものであれば約束は守るべきである。人とのつき合いでうやうやしいのはいいが、あくまで礼に合うようにしたい。たとえば、土下座をするなどはもってのほかだ。つき合う人、親しむ人を正しく選べるようになることが大切なのだ」。


【読み下し文】

有子(ゆうし)曰(いわ)く、信(しん)(※)は義(ぎ)に近(ちか)ければ、言(い)うこと復(ふく)すべきなり。恭(きょう)(※)は礼(れい)に近(ちか)ければ、恥辱(ちじょく)に遠(とお)ざるなり。因(よ)りて其(そ)の親(しん)を失(うしな)わざれば、亦(ま)た宗(そう)とすべきなり。


(※)信……約束、信義。

(※)恭……うやうやしくすること。


【原文】

有子曰、信近於義、言可復也、恭近於禮、遠恥辱也、因不失其親、亦可宗也、


14 一流の人物になるための心構え


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「これから学んで一流の人物になっていこうとする時に、ただおいしい物を腹いっぱい食べることや、立派でぜいたくな家に住むことばかりを考えるのは情けないことだ。自分がやるべきことをどんどん実行し、言葉だけにならないようにしなくてはいけない。もし尊敬すべき人に出会ったなら、ぜひとも、いろいろ教わっていくようにしたい。このようにしていけば、一流の人物になれるだろう」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)は食(しょく)に飽(あ)くを求(もと)むるなく、居(きょ)に安(やす)きを求(もと)むるなし。事(こと)に敏(びん)にして言(げん)に慎(つつし)み、有(ゆう)道(どう)に就(つ)きて正(ただ)す。学(がく)を好(この)むと謂(い)うべきのみ。


【原文】

子曰、君子食無求飽、居無求安、敏於事而愼於言、就有道而正焉、可謂好學也已矣、


15 貧乏であっても裕福であってもぶれない生き方


【現代語訳】

子貢が孔子先生にたずねた。「たとえ貧乏していても人にへつらうことなどなく、お金持になったからといっておごり高ぶることがない生き方をするというのはいかがでしょうか」。

孔子先生は言われた。「それで、いいと思うよ。けれども、まだ貧乏だとかお金持ちだとかにこだわっているところが気になるね。もっといいのは、貧乏だとか、お金持ちであることにこだわることなく、自分の正しいと思う生き方を貫ける人だろう」。
これを聞いて子貢は言った。「『詩経(しきょう)(※)』にある、〝切磋琢磨(せっさたくま)(※)〟するとは、こういうことですね」。

孔子先生は言われた。「賜(し)(子貢)よ。お前はいっしょに詩経のことを学べる優秀な人材だ。少し話をすると、まだ話していないことまで理解できるところがすばらしい」。


(※)詩経……いわゆる四書五経の一つ。詩。

(※)切磋琢磨……詩経にある言葉。刀で切り、鑢(やすり)で磋(みが)き、鑿(のみ)でくだきとり、砥(と)石(いし)で磨くこと。ここから努力を重ねて自分を磨いていくことを指す。


【読み下し文】

子(し)貢(こう)曰(いわ)く、貧(ひん)にして諂(へつら)うなく、富(と)みて驕(おご)るなきは如何(いかん)。子(し)曰(いわ)く、可(か)なり。未(いま)だ貧(ひん)にして楽(たの)しみ、富(と)みて礼(れい)を好(この)む者(もの)に若(し)かざるなり。子(し)貢(こう)曰(いわ)く、詩(し)に云(い)う、切(せっ)するが如(ごと)く磋(さ)するが如(ごと)く、琢(たく)するが如(ごと)く、磨(ま)するが如(ごと)し、と。其(そ)れ斯(こ)れを謂(い)うか。子(し)曰(いわ)く、賜(し)や、始(はじ)めて与(とも)に詩(し)を言(い)うべきのみ。これに往(い)くを告(つ)げて、来(く)るを知(し)る者(もの)なればなり。


【原文】

子貢曰、貧而無諂、富而無驕、何如、子曰、可也、未若貧而樂道、富而好禮者也、子貢曰、詩云、如切如磋、如琢如磨、其斯之謂與、子曰、賜也、始可與言詩已矣、告諸往而知來者也、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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