Facebook
Twitter
RSS

よみものどっとこむ

第61回

172話~174話

2016.10.19更新

読了時間

172 いつも変わらない心(恒心)を持ちたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「聖人を今の世で見ることはできないだろう。だから私は、君子見ることができればうれしく思う」。

また、先生は言われた。「善人(※)を今の世で見ることは難しい。だから私は、いつも変わらない心(恒心(こうしん))持つ人を見るとうれしく思う。ないのにあるように見せたり、からっぽなのに満ちているように見せたり、貧しいのにお金持ちのように見せる。このようなことをしているうちは、自分の生き方をどんな時でも貫き楽しむのは難しい」。


(※)善人……聖人や君子に較べると才能と学問の面で劣ってはいるが、素直で誠実な人。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、聖人(せいじん)は吾(わ)れ得(え)てこれを見(み)ざらん。君子者(くんししゃ)を見(み)るを得(え)ば、斯(こ)れ可(か)なり。子(し)曰(いわ)く、善人(ぜんにん)は吾(わ)れ得(え)てこれを見(み)ざらん。恒(つね)ある者(もの)(※)を見(み)るを得(え)ば、斯(こ)れ可(か)なり。亡(な)くして有(あ)りと為(な)し、虚(むな)しくて盈(み)てりと為(な)し、約(やく)にして泰(たい)なり(※)と為(な)さば、恒(つね)あること難(かた)いかな。


(※)恒ある者……外からの悪い影響をはね返すことのできるよい心を守れる人。孟子のいわゆる「恒心ある者」。

(※)約にして泰なり……貧しいのに豊かなふりをする。


【原文】

子曰、聖人吾不得而見之矣、得見君子者、斯可矣、子曰、善人吾不得而見之矣、得見有恒者、斯可矣、亡而爲有、虚而爲盈、約而爲泰、難乎有恒矣、


173 何ごとも節度を守る


【現代語訳】

孔子先生は、魚を採るのに釣りはなされたが、網を使ってすべてを取るということはなされなかった。鳥を捕まえるのに矢を使って飛ぶ鳥を狙われたが、巣に宿る鳥は狙われなかった。


【読み下し文】

子(し)は釣(つり)して網(あみ)せず。弋(よく)して宿(やどり)を射(い)ず。


【原文】

子釣而不綱、弋不射宿、


174 きちんと学んでから創作するべきである


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「世の中には、人に学ばずに創作する者もいるかもしれないが、私はそうではない。多くの教えを聞き、その中からよいと思われるものを選んで学んでからやるのだ。また、多くのものを見て選んで覚えておくようにもしている。私の方法は何でも知っている者には及ばないかもしれないが、普通の人としてあるべき姿なのではないか」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、蓋(けだ)し、知(し)らずして之(これ)を作る者あらん。我(われ)は是(これ)なきなり。多(おお)くを聞(き)き、其(そ)の善(よ)き者(もの)を選(えら)びてこれに従(したが)う。多(おお)くを見(み)てこれを識(しる)すは、知(し)るの次(つぎ)なり。


【原文】

子曰、蓋有不知而作之者、我無是也、多聞擇其善者而從之、多見而識之、知之次也、

シェア

Share

感想を書く感想を書く

※コメントは承認制となっておりますので、反映されるまでに時間がかかります。

著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

矢印