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よみものどっとこむ

第66回

186話~187話

2016.10.26更新

読了時間

186 礼を忘れずに手本となれ


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「他人に対してうやうやしいのはいいが、それが礼にかなったものでないと骨折り損で人にあなどられる。自分に慎み深いのはよいことだが、それが礼にかなってないと臆病者と見られることが多い。勇気があるのはいいが、それが礼を無視したものだと他人迷惑の乱暴となる。正直であるのはいいが、礼がないと他人に冷酷になることがある。人の上に立つ君子が親族に対して人情厚くしていると、人々にも仁愛の心が出てくるだろう。また、昔からつき合っている人を忘れず大事にしていると、人々の人情も厚くなるものだ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、恭(きょう)にして礼(れい)なければ則(すなわ)ち労(ろう)す。慎(しん)にして礼(れい)なければ則(すなわ)ち葸(おそ)る。勇(ゆう)にして礼(れい)なければ則(すなわ)ち乱(みだ)る。直(ちょく)にして礼(れい)なければ則(すなわ)ち絞(こう)す。君子(くんし)(※)、親(しん)に篤(あつ)くすれば、則(すなわ)ち民(たみ)、仁(じん)に興(おこ)る。故旧遺(こきゅうわす)れざれば、則(すなわ)ち民(たみ)、偸(うす)からず。


(※)君子……ここでは人の上に立つ者を指す。なお、君子以下は、前に「子曰」が脱落しており、意味も前段と関係ないことから、別章にすべきだとの説もある。


【原文】

子曰、恭而無禮則勞、愼而無禮則葸、勇而無禮則亂、直而無禮則絞、君子篤於親、則民興於仁、故舊不遺、則民不偸、


187 親から授かった身体を傷つけてはいけない


【現代語訳】

曾子(そうし)が病気となり、いよいよ危篤(きとく)の時を迎え、弟子たちを呼び集めて言った。「ふとんと開いて私の足と手をよく見てくれ。詩経に、『戦々競々として深い淵をのぞきこむ時のように、薄い氷の上をわたる時のように注意深くせよ』とある。私も、このように父母から授かった我が身体を大切に守ってきた。これでやっとこの義務を免れることになりそうだな、弟子たちよ、わかってくれたか」。


【読み下し文】

曾子(そうし)、疾(やまい)あり。門(もん)弟子(ていし)を召(め)して曰(いわ)く、予(わ)が足(あし)を啓(ひら)け(※)、予(わ)が手(て)を啓(ひら)け。詩(し)に云(い)う、戦戦(せんせん)競(きょう)競(きょう)として、深(ふか)き淵(ふち)に臨(のぞ)むが如(ごと)く、薄(うす)き氷(ひょう)を履(ふ)むが如(ごと)し、とあり。而今而後(じこんじご)(※)、吾(わ)れ免(まぬがれ)しを知(し)るかな、小子(しょうし)。


(※)啓……開の意。かけているふとんを開く。

(※)而今而後……今から以後。


【原文】

曾子有疾、召門弟子曰、啓予足、啓予手、詩云、戰戰兢兢、如臨深淵、如履薄冰、而今而後、吾知免夫、小子、



*186話は長文のため、今回は2話のみの掲載となります。

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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