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よみものどっとこむ

第77回

216話~217話

2016.11.11更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

216 身近な人によって見守られて往生したい

【現代語訳】

孔子先生の病が重く、死にそうな時があった。高弟の子路は先生の葬儀を立派にしようと、孔子の門人たちを大夫(たいふ)の家臣に仕立てるようにしていた。先生は病状が持ち直した時に言われた。「由(ゆう)(子路)よ。お前はずっとこの間(かん)、偽りを行ってきたのだな。今、私は官に就いておらず、家臣もない。家臣があるように見せかけたところで、いったい誰を欺(だま)せるというのか。天は欺そうとしてもできるものではない。私は大夫として家臣たちに見取られて死ぬよりも、親しいお前たちに見取られたいのだ。それに私はたとえ立派な葬儀はできなくても、お前たちがいてくれるから、道でのたれ死にすることもないだろうよ」。


【読み下し文】

子、疾(やま)い病(へい)す。子(し)路(ろ)、門人(もんじん)をして臣(しん)たらしむ。病(やま)い間(かん)なるとき曰(いわ)く、久(ひさ)しいかな、由(ゆう)の詐(いつわ)りを行(おこな)うや。臣(しん)なくして臣(しん)ありとなす。吾(われ)誰(だれ)をか欺(あざむ)かん。天(てん)を欺(あざむ)かんや。且(か)つ予(われ)、其(そ)れ臣(しん)の手(て)に死(し)なんよりは、寧(むし)ろ二三子(にさんし)(※)の手(て)に死(し)なん。且(か)つ予(われ)、縦(たと)い大葬(たいそう)を得(え)ざるも、予(われ)、道路(どうろ)に死(し)なんや。


(※)二三子……「お前たち」という門人への呼びかけ。


【原文】

子疾病、子路使門人爲臣、病間曰、久矣哉、由之行詐也、無臣而爲有臣、吾誰欺、欺天乎、且予與其死於臣之手也、無寧死於二三子之手乎、且予縦不得大葬、予死於道路乎、


217 準備を怠らずにいる


【現代語訳】

子(し)貢(こう)は言った。「ここに美しい玉(宝石)があるとします。箱にしまい込んでおきましょうか。それともよい商人を見つけて、これを売りましょうか」。

孔子先生は言われた。「そうだ。売るのだ。売るのがいい。私はよい商人が現れるのを信じて準備に怠ってはいけないんだ」。


【読み下し文】

子(し)貢(こう)曰(いわ)く、斯(ここ)に美(び)玉(ぎょく)(※)あり。匵(ひつ)に韞(おさ)めてこれを蔵(ぞう)せんか。善(ぜん)賈(こ)(※)を求(もと)めてこれを沽(う)らんか。子(し)曰(いわ)く、之(これ)を沽(う)らんかな、之(これ)を沽(う)らんかな。我(われ)は賈(こ)を待(ま)つ者(もの)なり。


(※)美玉……宝石。ここでは孔子のことをたとえている。

(※)善賈……善き商人。ここでは名君のたとえとしている。


【原文】

子貢曰、有美玉於斯、韞匵而藏諸、求善賈而沽諸、子曰、沽之哉、沽之哉、我待賈者也、



*216話は長文のため、今回は2話のみの掲載となります。

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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