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よみものどっとこむ

第8回

19話~21話

2016.07.28更新

読了時間

19 道徳が国民を導く


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「国民を導くために法律や刑罰のみを用いて治めていこうとすると、国民は、刑罰さえ免れればよいと考えるようになる。そして、そのことに廉恥(れんち)心(しん)(※)を持たなくなる。国民をよい方向に導くためには、社会の中に仁義道徳を拡める必要がある。そうすることで人々は礼儀作法がしっかりし、正しい方向に進むようになる」。


(※)廉恥心……自分を恥じる気持ち。新渡戸稲造は『武士道』の中で、これを重視している。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、之(これ)を道(みちび)くに政(せい)を以(もっ)てし、之(これ)を斉(ととの)うるに刑(けい)を以(もっ)てすれば、民(たみ)免(まぬが)れて恥(はじ)なし。之(これ)を道(みちび)くに徳(とく)を以(もっ)てし、之(これ)を斉(ととの)うるに礼(れい)を以(もっ)てすれば、恥(はじ)ありて且(か)つ格(ただ)し。


【原文】

子曰、道之以政、齊之以刑、民免而無恥、道之以徳、齊之以禮、有恥且格、


20 四十歳ごろまでに生き方の迷いを去りたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私は十五歳で志を立て、三十歳で一人立ちする自信を持てた。四十歳で生き方に迷うことがなくなり、五十歳で自分の進む道が天命(※)であることがわかった。六十歳になると何を聞いても素直に受け取れるようになり、七十歳で何をやっても脱線することがなくなった」。


(※)天命……天が自分の人生に与えた使命。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、吾(わ)れ十(じゅう)有(ゆう)五(ご)にして学(がく)に志(こころざ)し、三十(さんじゅう)にして立(た)ち、四十(しじゅう)にして惑(まど)わず、五十(ごじゅう)にして天命(てんめい)を知り、六十(ろくじゅう)にして耳順(みみしたが)う。七十(しちじゅう)にして心(こころ)の欲(ほっ)する所(ところ)に従(したが)って矩(のり)を踰(こ)えず。


【原文】

子曰、吾十有五而志乎學、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而從心所欲、不踰矩、


21 親孝行とは礼を守ることである


【現代語訳】

魯(ろ)の大夫(たいふ)(貴族)で権力者の一人、孟懿子(もういし)(※)が孝についてたずねた。すると孔子先生は言われた。「違わないようにすることです」。

その帰り道に馬車の御者を務めた門人の樊遅(はんち)(※)に向かって孔子先生はこう言われた。「孟孫(孟懿子)が私に孝についてたずねてきたので、違わないようにすることだと答えたよ」。

樊遅は、「違わない」とはどういう意味ですかと聞いた。孔子先生は言われた。「親が生きている間は礼に違うことなく仕(つか)え、親が死んだ時は礼に違わないように葬式を執り行い、先祖として祭る時も礼に違わないようにする。たとえ今権力があるからといって自分の都合で礼を変えてはいけないということだ」。


(※)孟懿子……魯の大夫。魯の三桓(さんかん)といって権勢のあった三大夫の一人。

(※)樊遅……魯の人。孔子の門人。孔子より三十六歳年少といわれている。


【読み下し文】

孟懿子(もういし)、孝(こう)を問(と)う。子(し)曰(いわ)く、違(たが)うこと無(な)かれ、と。樊遅(はんち)、御(ぎょ)たり。子(し)これに告(つ)げて曰(いわ)く、孟孫(もうそん)、孝(こう)を我(われ)に問(と)いしに、我(われ)対(こた)えて曰(いわ)く、違(たが)うこと無(な)かれと日(い)へり。樊遅(はんち)曰(いわ)く、何(なん)の謂(い)いぞや。子(し)曰(いわ)く、生(い)きては之(これ)に事(つか)うるに礼(れい)を以(もっ)てし、死(し)しては之(これ)を葬(ほうむ)るに礼(れい)を以(もっ)てし、之(これ)を祭(まつ)るに礼(れい)を以(もっ)てす。


【原文】

孟懿子問孝、子曰、無違、樊遲御、子告之曰、孟孫問孝於我、我對曰無違、樊遲曰、何謂也、子曰、生事之以禮、死葬之以禮、祭之以禮、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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