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よみものどっとこむ

第82回

230話~232話

2016.11.18更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

230 本当の志は奪われることはない


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「たとえ大軍といえども大将を奪われることはあろう。しかし、たとえたった一人にすぎなくても、その人の志は、奪おうとしても奪うことはできない(もし奪われるようであれば本当の志とはいえない)」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、三軍(さんぐん)(※)は帥(すい)を奪(うば)うべきなり。匹夫(ひっぷ)(※)も志(こころざし)を奪(うば)うべからざるなり。


(※)三軍……大軍のこと。

(※)匹夫……ただ一人ということ。


【原文】

子曰、三軍可奪帥也、匹夫不可奪志也、


231 人は人、我は我。さらに自分の道を積極的に進みたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「すり切れた綿入れ服を着ながら、上等なきつねやむじなの毛皮を着た人と並んでも平気で恥ずかしがらないのは、まず由(子路)だろうね。詩経(しきょう)に『人は人、我は我。誰かと比べられても自分を変えない人はすばらしい」という言葉があるがその通りだ」。

これを聞いた子路は、うれしくていつもこの言葉を口にしていた。そこで先生は言われた。「その生き方だけではだめだよ。さらに積極的に学び、実践することも必要だよ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、敝(やぶ)れたる縕袍(おんほう)を衣(き)、狐(こ)貉(かく)を衣(き)たる者(もの)と立(た)ちて恥(は)じざる者(もの)は、其(そ)れ由(ゆう)なるか。忮(そこな)(※)わず求(もと)めず、何(なに)を用(も)って臧(よろ)しからざらん。子(し)路(ろ)終身(しゅうしん)(※)これを誦(しょう)す。子(し)曰(いわ)く、是(こ)の道(みち)や、何(なん)ぞ以(もっ)て臧(よ)しとするに足(た)らん。


(※)忮……そこなう。人にあるのをねたんで害を加える。

(※)終身……いつも、日ごろの意。


【原文】

子曰、衣敝縕袍、與衣狐貉者立而不恥者、其由也與、不忮不求、何用不臧、子路終身誦之、子曰、是道也、何足以臧、


232 困難な時にこそ人の真価がわかる


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「気候が寒くなってきて初めて、(常緑樹の)松やカヤの葉が落ちないのがわかる(人も困難を迎えた時にその人の価値がわかる)」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、歳(とし)寒(さむ)くして、然(しか)る後(のち)に松柏(しょうはく)(※)の後(おく)れて彫(しぼ)むを知(し)るなり。


(※)松柏……松は「まつ」。柏は、日本では「かしわ」だが、中国では「かや」、「ひのき」などの常緑樹を指す。


【原文】

子曰、歳寒、然後知松栢之後彫也、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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