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よみものどっとこむ

第87回

243話

2016.11.28更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

243 食べ物に対するこだわり


【現代語訳】

孔子先生の食事は次のようなものであった。ごはんは精白米でもいいが、玄米でもいいとされた。肉などを細かくきざむような手の込んだ料理も悪くないが、手をかけないさっぱりとしたものでもいいとされた。ただし、ごはんは臭くなったもの(味の変わったもの)は食べられない。また、魚の形がこわれ、肉も古くなったものなども食べられない。色の悪いものも食べられない。においの悪いものも食べられない。なま煮えのものや煮すぎたものも食べられない。季節はずれのものは食べられない。肉の切り方、料理の方法がおかしいものも食べられない。肉や魚はそれに合うしょうゆ、つけ汁がないと食べられない。肉の量が多い時でも、主食のごはんより多く食べられることはなかった。酒は好きで量を決められてはいなかったが、乱れるほどには飲まれなかった。怪しいところで売っている酒やつまみには手を出されなかった。料理に添えてあるしょうが類も食べられたが、その量は多くなかった。君主の祭りを手伝い、その後にいただいた肉はその日のうちに食べられた。家での祭りに供えた肉は三日以内に処分され、それを過ぎると食べられなかった。口に食べ物を入れた時はしゃべられない。寝ね 床どこに入ったらしゃべられない。食事の時にはたとえ粗末なものでも、まず一箸を膳の向かいに供えて、感謝の気持ちを捧げるために慎んで供された。


【読み下し文】

食(し)は精(せい)なると厭(いと)わず、膾(かい)は細(ほそ)きを厭(いと)わず。食(し)の饐(い)して餲(あい)し、魚(うお)の餒(たい)し肉(にく)の敗(やぶ)れたるは食(く)らわず。色(いろ)の悪(わる)きは食(くら)わず。臭(にお)いの悪(わる)きは食(く)らわず、飪(じん)(※)を失(うし)えるは食(く)らわず。時(とき)ならざるは食(くら)わず。割(さ)くこと正(ただ)しからざれば食(く)らわず。其(そ)の醤(しょう)を得(え)ざれば食(く)らわず。肉(にく)は多(おお)しと雖(いえど)も、食(し)の気(き)に勝(か)たしめず。唯(た)だ酒(さけ)は量(りょう)無(な)く、乱(らん)に及(およ)ばず。沽(こ)酒(しゅ)市脯(しほ)(※)は食(く)らわず。薑(きょう)を徹(てっ)せずして食(く)らう。多(おお)くは食(く)らわず。公(こう)に祭(まつ)れば肉(にく)を宿(とど)めず。祭肉(さいにく)は三日(さんじつ)を出(い)ださず。三日(さんじつ)を出(い)づれば、之(これ)を食(くら)わず。食(く)らうに語(かた)らず、寝(い)ねては言(い)わず。疏食菜(そしさい)羮瓜(こうか)と雖(いえど)も必(かなら)ず斉如(せいじょ)たり。


(※)飪……煮る。「飪を失う」とは、なま煮えのこと。

(※)沽酒市脯……店で売っている酒や干し肉。


【原文】

食不厭精、膾不厭細、食饐而餲、魚餒而肉敗不食、色惡不食、臭惡不食、失飪不食、不時不食、割不正不食、不得其醬不食、肉雖多不使勝食氣、唯酒無量、不及亂、沽酒市脯不食、不撤薑食、不多食、祭於公不宿肉、祭肉不出三日、出三日不食之矣、食不語、寢不言、雖蔬食菜羹瓜、祭必齊如也、


*243話は長文のため、今回は1話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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