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よみものどっとこむ

第90回

250話~252話

2016.12.01更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

250 友人とのつき合い方


【現代語訳】

孔子先生は、「友人が亡くなって遺骸の引き取り手がいない場合には、『かりもがり』のため自分のところに引き取りましょう」と言われた。友人からの贈り物については、車や馬のような高価なものであろうとも拝礼されることはなかった(友人間では水くさいとされた)。拝礼されたのは、祭りに供えられた肉を分けていただく時だけであった。


【読み下し文】

朋友(ほうゆう)死(し)して帰(き)する所(ところ)無(な)ければ、曰(いわ)く、我(われ)に於(お)いて殯(ひん)(※)せよ、と。朋友(ほうゆう)よりの饋(おくりもの)は、車馬(ばしゃ)と雖(いえど)も、祭肉(さいにく)に非(あら)ざれば拝(はい)せず。


(※)殯……かりもがり。入棺してまだ本葬しない間をいう。天子は七ヵ月、諸侯は五ヵ月、大夫は三ヵ月、士は二ヵ月との決まりが古礼にはあった。


【原文】

朋友死無所歸、曰於我殯、朋友之饋、雖車馬、非祭肉、不拜、


251 孔子の日常生活


【現代語訳】

孔子先生は寝る時には、死者のように手足を伸ばして上向きに寝られない。普段、家にいる時は、くつろいでいて、かっこうをつけられたりしない。喪服を着た人を見ると、親しい人でも顔色を変えられる。衣冠礼服の人や盲者を見ると、親しい人であっても礼にかなうように改められる。車に乗っている時に喪服の人と会うと、車の前の横木に手をかけ、頭を下げられた。また、戸籍簿を運んでいる人にも同様に礼をされた。立派なごちそうを出されると、驚いた顔をして立ち上がり、主人に礼をされた。急に雷鳴や烈風があった時は、天変地異のしらせかと心配されて、いつも顔色を変えて立ち上がられた。


【読み下し文】

寝(い)るに尸(し)(※)せず。居(お)るに容(かたち)つくらず。子(し)斉衰(しさい)する者(もの)を見(み)れば、狎(な)れたりと雖(いえど)も必(かなら)ず変(へん)ず。冕(べん)する者(もの)と瞽者(こしゃ)とを見(み)れば、褻(な)れたりと雖(いえど)も必(かなら)ず貌(かたち)を以(もっ)てす。凶服(きょうふく)する者(もの)は之(これ)に式(しょく)(※)す。負版(ふはん)(※)する者(もの)に式(しょく)す。盛(せい)饌(せん)有(あ)れば、必(かなら)ず色(いろ)を変(へん)じて作(た)つ。迅雷風烈(じんらいふうれつ)には必(かなら)ず変(へん)ず。


(※)尸……死かばね。死骸。

(※)式……車上でする敬礼。

(※)負版……「版」は戸籍簿とされ、民政の根本となる大事なものであるから、戸籍そのものに対する敬意を表したと解するのが一般的である。これに対して、服喪の仕事をしていることを指すとの説もある。


【原文】

寢不尸、居不容、子見齊衰者、雖狎必變、見冕者與瞽者、雖褻必以貌、凶服者式之、式負版者、有盛饌必變色而作、迅雷風烈必變、


252 車に乗る時の礼儀


【現代語訳】

孔子先生は車に乗る時には、まっすぐ立って吊(つ)り革(かわ)を握り、ころばぬようにゆっくりと落ちついて乗られた。また、車の中では、あちこち振り向いたり、早口で物を言ったり、指をさしたりはされなかった。


【読み下し文】

車(くるま)に升(のぼ)るには必(かなら)ず正立(せいりつ)して綏(すい)(※)を執(と)る。車中(しゃちゅう)にては、内顧(ないこ)(※)せず、疾言(しつげん)せず、親指(しんし)せず。


(※)綏……ひも。吊り革。

(※)内顧……見回す。あちこち見る。


【原文】

升車、必正立執綏、車中不內顧、不疾言、不親指、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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