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よみものどっとこむ

第96回

267話~269話

2016.12.09更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

267 どこまで成長したかを理解する


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「由(子路)のひく瑟(しつ)(※)は、まだ剛強の性質がそのまま出ており、私のところで(孔子の門下で)奏でるのにふさわしいところまでいってないな」。

これを聞いた門人たちが子路のことを尊敬しなくなったように見えたので、先生は言われた。「子路は、堂(表座敷)までは上がることができているが、その奥の室(深い本当の理解)まであと一歩のところにいる。門人たちの多くはまだ堂にすら達していないのだ」。


(※)瑟……「琴(きん)瑟(ひつ)相和(あいわ)す」といわれるように、琴と対した。琴は十三絃(げん)で少し小さいが、瑟は二十五絃である。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、由(ゆう)の瑟(しつ)、奚(なん)すれど、丘(きゅう)の門(もん)に於(お)いてせん。門人(もんじん)、子路(しろ)を敬(けい)せず。子(し)曰(いわ)く、由(ゆう)や、堂(どう)(※)に升(のぼ)れり。未(いま)だ室(しつ)(※)に入(はい)らざるのみ。


(※)瑟……「琴(きん)瑟(ひつ)相(あい)和(わ)す」といわれるように、琴と対した。琴は十三絃げんで少し小さいが、瑟は二十五絃である。

(※)堂……家の正面にあって賓客を遇する広間。

(※)室……「堂」よりも家の奥にある部屋。


【原文】

子曰、由之瑟、奚爲於丘之門、門人不敬子路、子曰、由也升堂矣、未入於室也、


268 過ぎたるは、なお及ばざるがごとし


【現代語訳】

子貢(しこう)がたずねた。「師(子張)と商(子夏)とではどちらが優(まさ)っていますか」。

孔子先生は言われた。「師は行き過ぎる。商は行き足りないところがある」。「それでは、師のほうが優っているのでしょうか」。

先生は言われた。「『過ぎたるは、なお及ばざるがごとし』で、どちらがいいとかは言えない(中庸をめざすべきだ)」。


【読み下し文】

子貢(しこう)問(と)う、師(し)と商(しょう)と孰(いず)れか賢(まさ)れる。子(し)曰(いわ)く、師(し)や過(す)ぎたり、商(しょう)や及(およ)ばず。曰(いわ)く、然(しか)らば則(すなわ)ち師(し)愈(まさ)れるか。子(し)曰(いわ)く、過(す)ぎたるは猶(な)お及(およ)ばざるがごとし。


【原文】

子貢問、師與商也孰賢、子曰、師也過、商也不及、曰、然則師愈與、子曰、過猶不及、


269 だめなものはだめと強く教える


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「魯の大夫(貴族)である季氏(※)は、主君である魯公(※)の先祖・周公よりも富んでいる。それなのに、我が門人の求(冉求)は、季氏の家老となっていながら、その過ちを正すどころか、さらに税を厳しく取り立てて、その富をさらに増やしているようだ。求はもはや我が弟子ではない。門人たちよ、求を責める鼓(つづみ)を鳴らして彼を大いに攻撃していいぞ」。


(※)季氏……季孫氏。魯のいわゆる有力な三桓(さんかん)の中で一番勢力があった。富も国も半分近くを占めていたという。

(※)魯公……周公の子で伯禽のこと。魯の初代君主。


【読み下し文】

季氏(きし)、周公(しゅうこう)よりも富(と)む。而(しこう)して求(きゅう)や、之(これ)が為(ため)に聚斂(しゅうれん)(※)して之(これ)に附(ふ)益(えき)す。子(し)曰(いわ)く、吾(わ)が徒(と)に非(あら)ざるなり。小子(しょうし)、鼓(つづみ)を鳴(な)らして之(これ)を攻(せ)めて可(か)なり。


(※)聚斂……勢を厳しく取り立てること。


【原文】

季氏富於周公、而求也爲之聚斂而附益之、子曰、非吾徒也、小子鳴鼓而攻之、可也、


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。著書に『超訳孫子の兵法』、『吉田松陰の名言100』、『武士道の名言100』、『真田幸村の凛とした生き方』(以上、アイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術』(誠文堂新光社)などがある。

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